●改正道路交通法(2)
本年6月1日より実施されている道路交通法と同法施行令ですが、主な改正点は前号で取り上げたとおり、悪質・危険な違反に対する罰則強化です。
そのほかにも改正点があり、これは逆に優良ドライバーに対する便宜措置といえるでしょう。
1)免許証の有効期間延長
いままでは優良運転者のみ免許証の有効期間が5年でしたが、一般運転者の免許証の有効期間も5年に延長されました。
一般運転者とは過去5年間の違反歴が軽微違反(3点以下の違反)1回のみで人身事故等を起こしていないことが条件です。3点以上の違反や人身事故を起こした場合は、従来どおりの3年間です。
2)免許更新期間が改正されました
免許証の更新期間が、従来の「誕生日の1か月前から誕生日まで」から「誕生日をはさんだ2か月間」に延長されます。
対象となる人は、免許証の更新期間の初日が平成14年6月1日以降の免許証を持っている人。旧免許証には「誕生日まで有効」と記載されていても自動的に有効期間の末日が1か月延長されることとなります。これで「うっかり更新忘れ」が防げそうです。
3)優良運転者は、住居地以外の公安委員会でも更新が可能
今までは住居地での免許証更新でしたが、優良運転者(一定の条件あり)については、更新期間の前半の1か月間に限り、住居地を管轄する公安委員会以外の公安委員会を経由して更新申請を行うことができるようになりました。
対象者は免許証の更新期間の初日が平成14年6月1日以降の免許証を持っている人。更新の際にいちいち住居地に帰ってこなくてもいいというのは便利かもしれません。
4)病気・障害者に対する免許取得の欠格事由が見直されました
これまで一定の病気・障害者に対して免許が取得できないとしていた欠格事由が廃止されて、免許を受けようとする方が自動車等の安全な運転に支障があるかどうかを個別に判断することになりました。
これは試験に合格しても、病気・障害のため、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある場合には、免許の拒否や保留、取消し、停止がなされることもあるということです。
5)高齢の運転者への対応
高齢者講習の受講対象者の年齢が従来の75歳から70歳に引下げられました。それに伴い、高齢運転者標識(俗称:枯葉マーク)の表示の努力義務の対象年齢についても70歳以上に拡大されました。
※初心者マークは「義務」ですが、枯葉マークは「努力義務」です。いやならつけなくても構いません。