多分これを読まれる方はのほとんどが健康で身体に何ら不自由の無い人でしょう。しかし考えてみてください。あと10年後、20年後、30年後。そのときに本当に必要な車は何であるかを問うのが、トヨタ店で販売されているウェルキャブシリーズ。
今回は、セカンドシートがリフトアップするトヨタライトエース ノア(ウェルキャブサイドリフトアップシート車)に試乗してみました。
ベース車両となっているのは、ライトエースノア。ネッツトヨタ車の中堅ワンボックスカーで、1.4トンのもボディーを軽々引っ張る4気筒2000ccエンジンとしっかりした足回りのため運転はラク。以前のようなワンボックスカー特有のゆらゆらもったりした感じはありません。
ウェルキャブ仕様はセカンドシートの左側のシートが電動でせり出してくる。身障者だけではなく足が多少不自由になったお年寄りにも最適。以前はスライドドア車のセカンドシートのみせり出すものでしたが、最近では助手席も同じようにせり出してくる新型車も販売しています。
衝突の安全性ではセカンドシートに分がありますが、セカンドシートやサードシートのバリエーションを楽しみたい場合は助手席リフトアップシートのほうが色々楽しめる。また大人数の場合は助手席リフトアップの方が定員が多いというメリットもあります。
乗り方は至極簡単。座席に座り、足をステップに乗せます。杖や足ははみ出さないように注意。危険は無いけどサポート人が居た方がより安全であるとは言えます。
スイッチはアップとダウンがあり、押しつづけることで操作します。ボタンを離すと自動で止まる安全設計。しかし途中で不用意に止めるとガクガクするので、押しっぱなしで操作するのがベスト。ボタンはやや固く、筋肉の衰えたお年寄りには多少操作しにくいようです。また左側は肘掛から腕を出していると挟まれる危険あり。ドアが完全に開いていないと動かないなどの仕様が必要かも。
回転中は極めてスムーズな動きで感動的でさえあります。ステップに足をちゃんと乗せていないと下の段差に引っかかるので注意。動作が完了するとピピッと音がして完了を知らせる。
セカンドシートとはいえ咄嗟のブレーキングのためシートベルトは必須。しかしこの装備されているシートベルトは動くたびにどんどん締まってしまい、圧迫感があり全くいただけません。ぜひとも装着感の楽なELR付3点式シートベルトを装備していただきたい。乗員はモノではないのだから固定できれば良いというものでもないでしょう。リア最後部には、車椅子固定用のベルトが装備されているのはマル。
さて、このライトエースノアですが車両価格は約233万円。諸費用も入れると約280万円のクルマですす。ただし現在生産中止で、11月のフルモデルチェンジでVOXYとなって新登場。よりエコノミー&パワフルになったエンジンを搭載し、あまり上出来とは言えないシートも改良され、視界の確保にも気を配ったというトヨタの自信作らしい。もちろんウェルキャブ仕様も登場予定。
なお、ウェルキャブ仕様はベース車両に約40万円ほどの上乗せが目安です。税制も優遇されていますが、高額な車両だけに吟味が必要。今回はネッツトヨタ茨城株式会社の試乗車を利用させていただきましたが、こういう試乗は大事だと思います。必要とする家族がいて、試乗して良ければこれはもう買うしかないですね。
トヨタウェルキャブの試乗レポートはこちら
>>http://www.tamagoya.ne.jp/driver/noa.htm