[126]身内の呼び方
読者様より質問がきました。身内の呼び方なのですが、ちょっと考えてみたいと思います。
読者A様>
質問というのは最近結婚したのですが、相手の両親というか相手方の表現の仕方なのですが。
私は自分の実家に電話する場合などに相手の姓を付けて○○のお父さんとかお母さんとか言います。
例えば相手が山田家だとすると山田のお父さんがとか山田のお母さんがとか表現します。
ところが私の連れ合いは呼び捨ては嫌だというのです。どうも山田さんのお父さんとか山田の下に家が付いているのが理解できないみたいです。
山田さんのお父さんというと連れ合いを旧姓のさん付けで呼ぶのでかえっておかしいと思うのですが。また山田家のお父さんというのも言い過ぎの気がします。
正式には相手の家族の身内内の呼び方、身内外での呼び方を教えていただければと思うのですが。
お手数をおかけします。
たまごや>
身内の呼び方は、誰に話すかで変わってくると思います。
夫婦で夫側が佐藤家で妻側が山田家だと仮定します。
【第三者に話す場合】
妻がその両家以外の第三者に夫のお母さんを言う時は
「佐藤の母」「佐藤のお母さん」「義理の母」
でいいと思います。身内の姓には「さん付け」しません。
佐藤家に嫁いだわけですから単に「母」「お母さん」でも構いません。むしろ古い考えのご年配の方に話す場合は、こちらのほうがいいかもしれません。
「嫁いだのに『佐藤の』母とはなんたること。お前はもう佐藤だろう」と怒られるかもしれません。
夫がその両家以外の第三者に妻のお母さんを言う時は
「山田の母」「山田のお母さん」「義理の母」でいいでしょう。
このように、第三者に話す時は両家の姓は呼び捨てで構いません。両家は身内ですから敬称はつけないのが普通だからです。
【身内同士で話す場合】
夫が身内同士の話の中で、自分の家の身内を指して言う場合は「お父さん」あるいは「父」です。「佐藤のお父さん」とは言いません。妻側のお父さんを指して言う場合「山田のお父さん」でいいでしょう。
妻が身内同士の話の中で夫の家の身内を指して言う場合は微妙ですが「佐藤のお父さん」「佐藤のお母さん」でしょうか。「佐藤さんのお父さん」はまるで他人行儀でおかしいです。
妻が自分の家の身内を指して言う場合は「父」「母」でしょう。この場合も「山田の父」とは言いません。自分の父親はいつでも「父」です。
身内といっても夫側妻側でまた変わってきますが、相手を見てケースバイケースでしょう。仲良い場合と離婚寸前でも違ってきますし。
結論としては自分の身内の姓には「さん付け」はしないのが普通です。この場合の佐藤あるいは山田は人というよりは「家」を表しているからです。
同じシチュエーションでも妻と夫では微妙に異なるのは、「妻は嫁ぐもの」という日本人的古い慣習に囚われているからといえます。