[338]田中は本日休みをいただいております
要件:
「田中」は自分と同じ社内の人間である
「田中」は自分の上司である
「田中」は休暇をとっている
「田中」に用事のある得意先からの電話に自分が出た場合
ビジネスマナーにおいて表題の言い方
「田中は本日休みをいただいております」
は正しいでしょうか?
いろいろなマナー本やネットを検索しても、これは間違いとする意見が多数です。その理由は…
いただいております→休みを与えているのは会社であって得意先ではない
そしてこの場合は
「田中は本日休みをとっております」
が正しいとするものです。
ほんとうでしょうか?
この考えの根底は「休みは会社が与えるもの」としているところです。
労働基準法では休みを与える条文がありますが、これは会社が与えるのではなく、従業員には休みをとらせなければならないといっているに過ぎません。休みは会社が与えるものではなく、承認するだけです。会社が休みを与えているという考えは昭和の高度成長期のサラリーマンイケイケの時代の話です。
また、心情として取引先あってのビジネスです。取引先の都合で商談は進めなければなりませんが、しかしその間にも休みを取らないといけません。取引先には申し訳ないけれど、やむを得ず休みをいただきます。
ということで【休みは取引先からいただく】というのが心情的には正しい。
おそらくこの言い方を最初にした人は、心から休みを頂戴するという気持ちがあったのでしょう。休みは「会社からいただく」なんてことは考えていなかったに違いありません。
ということで【休みをいただいておりますは正しい】に1票を投じたいと思います。