[088]ミディアムレア
レストランでステーキを頼むと必ず焼き具合を聞かれます。これは海外でも同じで、英語が苦手な人は頭が痛いことでもあります。しかし、アメリカなどで食べるステーキは大きくて美味しくしかも安い。折角ですから勇気をもって焼き具合を告げましょう。焼き具合はミディアムとしても国によって、あるいはレストランによっても違うので、もし出てきたステーキが自分の好まない焼き具合だったら焼き直しを頼みましょう。大丈夫。遠慮は要りません。
日本では、長い間、焼き具合といえば、レア、ミディアム、ウェルダンの3種類でした。最近になってようやくミディアムレアなる焼き具合が使われるようになりましたが、これは日本では牛肉が高く、あまり厚い肉が使われないためと思われます。欧米でステーキを頼むと3cmくらいある分厚いステーキがざらですから、その厚さに応じて細かい焼き具合が必要だったのでしょう。
焼き具合は、生に近いほうから、レア(Rare)、ミディアム(Medium)、ウェルダン(Well-Done)となります。レアよりもっと生に近いのはベリーレアといいます。さらに表面だけ炙ったようなものをブルーといいます。焼くときの炎がブルーなのか、生に近いので食アタリのため顔が青ざめてブルーなのかは定かではありません。信頼の置ける店では、レアもいいですが、海外であまり日本人が行かない店ではよく焼いたほうが無難かもしれません。旅先で腹痛を起こすことくらい情けない話は無いですから。
牛肉はあまり火を通しすぎると、硬くなりますのでミディアム以前の生に近いほうが美味しいと思います。特に欧米では味付けは塩コショウだけなので、肉汁も味わうことが大切となります。よく焼きますと肉汁もなくなりますので味気なくなってしまいます。焼き方は、国によっては7種類くらいあることもあるので、事前に調べておくといいと思います。
さて、美味しいステーキの焼き方ですが、できるだけ厚い肉を奮発しましょう。そして火加減ですが、よく言われるように強火でさっと、というわけではありません。厚さのあるステーキは中火で焼きます。
フライパンに油を多めに注ぎ火にかけます。うっすらと煙が上がってきたら火からおろして煙が出なくなるまで待ちます。煙がおさまったら再度火にかけ、肉を置いて片面30秒焼きます。
これをひっくり返します。キツネ色に焼き目がついていると思います。さらに中火で焼きますと、表面から赤い肉汁しみ出てきます。この時点でミディアムレアです。あとはお好みでどうぞ。
なお、鉄板のステーキ皿を使うときは前もって火にかけておくのですが、こうして温めた鉄板の上に乗せるとかなり焼き具合が進みます。ミディアムのつもりがウェルダンになってしまうということもありますので、余熱具合をよく考えて焼く必要があります。微妙な焼き具合を提供する一流レストランでは鉄板皿は使いません。
ステーキの食べ方ですが、左から一口サイズにその都度切って食べるのが美味しい食べ方です。最初に全部切ってしまって、フォークを右手に持ち替えて食べるのはアメリカスタイルですが、これはあまり美味しくない。ステーキは焼きたて、切りたてが美味しいようです。