[06]お色直し

第6回

お色直し

五月の連休は司会者にとって婚礼のピークです。皆さんはどんな連休を過ごされましたか。披露宴に呼ばれた方もいらっしゃったのでは?近頃の披露宴では、花嫁がどんな衣装で登場するのかも女性の皆さんには楽しみの一つですね。

以前は業界で衣装4点というと、白無垢でお迎えをして、色内掛けで入場乾杯後、お色直し退場ウエデイングドレスで入場して、余興の途中にもう一度、お色直しで、カクテルドレスで入場のパターンがほとんどでしたが、近頃は、ドレス2点だけやお振袖をとりいれたりとさまざまです。

連休中に見た花嫁は和装でもヘアーが洋髪の人がほとんどでした。打ちかけも春らしく白地にお花が描かれていて、フワーッとした洋髪から振袖ではきりりとしたアップの髪型で印象が全くちがっていて新鮮でしたよ。

それから、半かつらというものが、花嫁の髪型に取り入れられるようになったらしく、はえぎわや襟足は自分の髪で結い上げてあるかつらをみましたよ。とても自然な感じでした。

次に、お色直しのとき誰と一緒に出るかという事ですが、和装の場合は媒酌人の奥様であったりお母様やおばあちゃま、など女性が似合いますね。

ウエデイングドレスの時は、新郎であったり、父親兄、弟など新婦にとって、感激の思い出のシーンになりそうな人ですね。できれば、司会者に一言、思い出やエピソード、メッセージなど伝えておくと効果的です。

本来披露宴はお招きした方々に対して、新郎と新婦がほとんどお色直しで会場の中にいないというのはとても失礼なことだと思いますが、女の子の夢の一つに花嫁になること、とあるように、また大切に育てた娘にはぜひ日本の伝統的な打ちかけを着せたいという親の心情などもあります。これからも花嫁のお色直しは花嫁の個性を生かしたもので、思い出に残る感動的なものとしてうまく取り入れてほしいと思います。

その昔、振袖姿の花嫁は父親に傘をさしかけてもらい入場、新郎が迎えにきて、娘を新郎のもとへと送る淋しそうな父の姿。これは、今は亡き私の父との大切な写真のなかでも特別な思い出の一枚です。

披露宴の感激の場面はカメラやビデオによりいつまでも、大切なひとこまとして残ります。

先日の披露宴でかつらが重くて痛いのをがまんしている花嫁に出会いました。入場まで時間があったので、私が美容師さんにそっと伝えました。かつらをはずして、髪に櫛を通してもらい、「頭痛がなおりました。」と言っている花嫁の表情は先程とは全くちがってさわやかでした。

まもなく花嫁となる皆さん。当日は体調を整え、心身共に喜びで一杯の一日をお迎えください。

2005.05.24