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[07]披露宴NG集

第7回

披露宴NG集

庭にアジサイの花が咲き、一雨ごとに色づくのが楽しみな季節です。今回は思いつくままに今までに見た披露宴のNG集をご紹介します。

司会者の使う言葉には禁句があるのはご存知ですよね。再婚や死などを思わせる言葉です。だから、終了はお開き、最後は結びなどと言い換えるのですが、来賓祝辞の中に禁句連発というのがありました。

私が専属で勤める郊外の会場には良く同じ議員さんが何度も出席されますが、新郎新婦の名前が代わっただけでいつも同じ祝辞の方がいます。その最後に聞く印象的な話が、夫婦とはーーー。今はこんなに中の良いお二人も40代は我慢。50代は辛抱、60代は惰性、70代はあきらめですーーと。人生は甘いことばかりじゃないと言いたいのはわかりますが、わざわざそこで言われたくない気がします。いつも聞く度にこの方の人間性を疑います。

次に、離婚をした両親というのもそうめずらしいことではありませんが、一日限りのお父さんを見ました。出て行った父親でも子供にとって、親は親、大事な人生の節目、晴れ姿はどんな親にでも見てもらいたいものです。打ち合わせで事情は少し理解していたつもりですが、控え室は別々で親族は敵同士の集まりのようで、とても気を使いました。

このシーンだけは素直な気持ちで迎えてほしかったのですが、花束贈呈に読む花嫁の手紙の始めは「お父さん、今日は来てくれてありがとう。」でした。ずっと離れて、口も利かずにいた父と母はおお泣き。複雑な心境が伝わり、悲しい披露宴でした。

これは、別の披露宴でしたが、最近の子供たちの名前はとても難しく、深い思いをこめて付けられているようで、新婦の姉二人のお子さんから花束の贈呈があるので、名前の確認のついでに「名前を付けたのは?どんな思いがこめられて?」と質問すると触れないでくれと言われました。なんとお姉さま二人とも出戻りでした。お父さんは禁句だったんですね。これは私のNGでした。

逆バージョンもありました。両親が最近再婚したばかりやけに熱々の二人は、嬉しいお酒につい余興の歌に合わせてチークダンスを踊り始めました。まあほほえましいとも言えますが。新郎新婦の心境はどうだったのでしょうか。

もうひとつおまけですが、花嫁のブーケトスに独身男性も参加したらどうなると思いますか。私もはじめはおもしろいと思ったのですが、結果は悲惨でした。ジャンプして掴み取ったブーケは見る影も泣くぼろぼろになりました。

NGはまだまだありますが、次は披露宴の作り方をお話ししながら聞いてためになるお役に立てる情報をお送りしますね。

披露宴は夫婦となる二人が、これまでお世話になった方々にこれからも宜しくとお披露目をするものだと思います。義理や見栄でするものでもなく、まあ、ハプニングはよくあることですが、一生言われそうな恥ずかしいことないようにしたいものです。

2005.06.21

[05]ナイスフォロー

第5回

ナイスフォロー

いよいよ桜の季節ですね。先日、このコラムを見ていただいた方からお便りをいただきましたが、どうもMC山田は毒舌でクールなイメージがあるようです。

そこで今回は本当のMC山田の人となりが伝わりますように婚礼の現場からの楽しい情報をお届けしますね。

一番近いところで、先周の披露宴です。新郎は幼い頃から野球少年でした。ケーキ入刀のシーンでカメラを持った列席者が集まったところで、なんと二人はナイフの代わりにバットをかまえていました。

もちろん打ち合わせで決めていたことですが、
「皆さん、お二人のお手元にご注目ください。どんなに野球が好きでも、後ほど皆さんにお召し上がりいただくケーキ。バットではホームランを打っていただきたいですね。」

と、大爆笑で取りあえず記念の写真をとっていただき「今日の結婚式はバットで入刀だったと、うわさだけでも流していただければお二人も本望でございます。」とまとめて通常のケーキ入刀のシーンへと移りました。

もうひとつ、楽しかった披露宴です。新郎新婦はラーメン店で働いていて、二人でお店を出すのが夢です。手作りの温かい披露宴のメインは衣装の色当てクイズ。つぎに入場してくる衣装は何色でしょうと列席者に解答用紙に名前と色をかいてもらっていました。

入場してきたのはお店の制服姿の二人です。すごく受けていたお店のオーナーにMCは聞きました。「いかがですか?」日本語があまりわからないので一言。笑いながら「まぬけだね。」と、大爆笑でした。そして二人は高砂へ。その足元にはさりげなく?フライパンがありました。MC「なんとこんなところにフライパンがーー。

「皆さんの前で何かお料理を作ってくれますか?」新婦が材料を入れるまね。新郎がなべを振って「さあ、なにができましたか?」新婦「チャーハンです。」と。MC「息もぴったりに愛情たっぷりのチャーハンができました。」とまとめました。

このように司会者は仕込みをしていても、その通りになるものでもなく、もし予想以上の盛り上がりがあれば私自身も嬉しくて幸せを分けていただいた気分になります。

私の20年間で最大のフォローと言えば、忘れもしませんまだ駆け出しの頃、無事に披露宴もおひらきまじかで万歳の発声の方をご紹介しようとした時のこと。

会場の担当者が、「この方が先程、トイレで倒れ救急車ではこばれました。」すべてが私の判断にまかせられたそのとき、頭に浮かんだのは、「今日、笑顔でとても気持ち良く対応してくださったあの媒酌人ならお願いできる。と。すぐに媒酌人のそばへ行き事情を説明。代わりにやってくださることとなりました。

おめでたいお席なので何があろうとあきらめることなくおひらきまでスムーズに進みますように、主催者と同じ気持ちで列席者に失礼がないようになどと気をつけながらあとは思いっきりサービス精神で努めています。

2005.04.13