[05]ナイスフォロー

第5回

ナイスフォロー

いよいよ桜の季節ですね。先日、このコラムを見ていただいた方からお便りをいただきましたが、どうもMC山田は毒舌でクールなイメージがあるようです。

そこで今回は本当のMC山田の人となりが伝わりますように婚礼の現場からの楽しい情報をお届けしますね。

一番近いところで、先周の披露宴です。新郎は幼い頃から野球少年でした。ケーキ入刀のシーンでカメラを持った列席者が集まったところで、なんと二人はナイフの代わりにバットをかまえていました。

もちろん打ち合わせで決めていたことですが、
「皆さん、お二人のお手元にご注目ください。どんなに野球が好きでも、後ほど皆さんにお召し上がりいただくケーキ。バットではホームランを打っていただきたいですね。」

と、大爆笑で取りあえず記念の写真をとっていただき「今日の結婚式はバットで入刀だったと、うわさだけでも流していただければお二人も本望でございます。」とまとめて通常のケーキ入刀のシーンへと移りました。

もうひとつ、楽しかった披露宴です。新郎新婦はラーメン店で働いていて、二人でお店を出すのが夢です。手作りの温かい披露宴のメインは衣装の色当てクイズ。つぎに入場してくる衣装は何色でしょうと列席者に解答用紙に名前と色をかいてもらっていました。

入場してきたのはお店の制服姿の二人です。すごく受けていたお店のオーナーにMCは聞きました。「いかがですか?」日本語があまりわからないので一言。笑いながら「まぬけだね。」と、大爆笑でした。そして二人は高砂へ。その足元にはさりげなく?フライパンがありました。MC「なんとこんなところにフライパンがーー。

「皆さんの前で何かお料理を作ってくれますか?」新婦が材料を入れるまね。新郎がなべを振って「さあ、なにができましたか?」新婦「チャーハンです。」と。MC「息もぴったりに愛情たっぷりのチャーハンができました。」とまとめました。

このように司会者は仕込みをしていても、その通りになるものでもなく、もし予想以上の盛り上がりがあれば私自身も嬉しくて幸せを分けていただいた気分になります。

私の20年間で最大のフォローと言えば、忘れもしませんまだ駆け出しの頃、無事に披露宴もおひらきまじかで万歳の発声の方をご紹介しようとした時のこと。

会場の担当者が、「この方が先程、トイレで倒れ救急車ではこばれました。」すべてが私の判断にまかせられたそのとき、頭に浮かんだのは、「今日、笑顔でとても気持ち良く対応してくださったあの媒酌人ならお願いできる。と。すぐに媒酌人のそばへ行き事情を説明。代わりにやってくださることとなりました。

おめでたいお席なので何があろうとあきらめることなくおひらきまでスムーズに進みますように、主催者と同じ気持ちで列席者に失礼がないようになどと気をつけながらあとは思いっきりサービス精神で努めています。

2005.04.13

[04]これからの披露宴<その2>

第4回

これからの披露宴<その2>

数日前から全国的に雪。庭にでて小さな雪だるまを作ってみた。ふと見ると、庭の隅に、凛と咲く数本の水仙の花。二本摘んで、ブルーのガラスにさしてみた。本当に生き生きと、さわやかな香りを放っている。そういえば花嫁もたくさんみてきたが時折、幸せそうだなとは言えない花嫁がいた。

逆に二人の披露宴を楽しく作り上げたいと、私のもとを訪ね、みごとに思い通りの納得の披露宴をやりとげた花嫁の幸せそうな笑顔。そんなカップルから披露宴の後も、近況報告などお便りをいただくが、皆、ますます輝いています。

なんでもこだわる人は、意外と変わり者といわれ誤解をされることもあるかもしれませんが、私が出会った2000組以上のカップルの中で、普通でいいです。と披露宴を義理のように考えている二人には人間的にも魅力を感じませんでした。

結婚が決まり、披露宴をすることが決まったら、あなたはどこを訪ねるでしょうか。ホテルの婚礼課、ブライダルのプロデュース会社。親戚の美容師。知り合いの衣装屋。これらの場所は、そんなカップルが飛び込んでくるのを待っています。なぜなら、商売だからです。お金を惜しまず、商売人のアドバイスにまかせる覚悟があるなら、それで良いと思いますが、

二人の夢、予算、イメージがあるのであれば、まず何を大切にしたいのか。会場の高級感。おいしいお料理。あこがれの衣装の。メイクだけにはこだわりたい。冬でも好きな花を飾りたいなど。もし、採算ばかり考えている業者に飛び込めば、あなたはすごくわがままな変な人と言われてしまうかも知れませんお二人の意味のあるわがままな夢を理解できるのはわずかな本当の職人と芸術家です。情熱をもって当たっていればかならず良い出会いがあります。求めれば必ずあなたの近くにいます。

実際、ホテルの婚礼課の窓口にいる、ブライダルプランナーと名の付く女性に婚礼の現場を知る人はあまりいないようです。彼女や上司が熱心なカップルのことをなんと言っているのか、それは変わったカップルですから、司会者さんよろしくと。それは、経験からアドバイスすることができないだけなのです。

オリジナル性を出すには確かに予算もかさむでしょうが、すべてオプションにして、基本のパックを安く見せかけているところもあるようです。

追加追加で、清算時に青ざめ夢を亡くしたカップルもいます。婚礼業界の業者は紹介することによりマージンが支払われます。衣装については3割が常識。

紹介してあげるよ。顔が利くよ。この言葉を信じて、当日、厚塗りの化粧で泣いていた花嫁の顔を今でも覚えています。

2005.03.29