第22回-ヘルパー実習

2018年8月26日

こんにちは、稲垣尚美です。毎日、暑いですね。

いつも元気のよい21歳の職員に「いつもどのくらいの力を出して仕事してるの?」と質問しました。「自分では、120%の力を出してる。でも、人からは、その半分程度しか見られてないと思って仕事してる。仕事してる時は、全力投球だよ。でも、プライベートな時間になれば、きっぱり仕事のことは忘れる。」なるほど。自分の力を過小評価されてると思って仕事してるんだ。手を抜こうと思えば、いくらでも手を抜けるこの仕事。でも、後で必ず誰かが、気がつく。手をかければいくらでも手をかけることができる。やはりそれも誰かが、気がつく。1人でやってる仕事じゃなくてみんなの連携プレーだから。

「稲垣さん、今日、ヘルパー実習生つくから」出勤時、そう声をかけられて「は~い」と返事。

午前8時半、「この子が、ヘルパー実習生」と来たのは、どう見ても高校生。色が白くて目が、クリクリして、髪を後ろで二つにしばってる女子高生。高校のジャージに体育館シューズ。「もしかすると高校生?」「はい、高校2年生です」元気が、いい。

すぐそばで夏休みボランティアで掃除をしてくれている中学生とどれくらいの違いがあるのだろうか。

高校生でもヘルパーってとれるんだって新たな発見。年齢制限ってないのかな。「2級だったよね」と念をおして聞いてみる。「はい、2級です」じゃ、身体介護も教えるんだ。高校生か~

でも考えてみれば、高校でも福祉科が、あるんだし、よく実習に来る福祉専門学校生だって、この子とあんまり年齢は、かわらないんだよな。

「どんなきっかけでヘルパーの資格をとろうと思ったの?学校からの斡旋?」と根掘り、葉掘り聞いてみる。「学校へヘルパーの講習があるから受けてみませんかって宣伝に来たから、講習受ければ試験なしに資格がとれるって聞いたから」「ヘルパーの資格に試験は、ないでしょ」と周りにいた職員から、つっこみが入る。「いくらかかるの?」「6万円くらい。他に実習費が、6千円と」「ここにはどうやって来たの?」「お母さんに車で送ってもらいました」車で一時間かかるところに住んでいる彼女。親に送ってもらうというのも初めてのパターンだ。他の職員が、あそこで乗り換えてここの駅で降りてと丁寧に説明していた。でも、明日の実習も送ってもらって迎えに来てもらうんだろうな。

実習態度は、何も声をかけなければ、隅で見ているのみ。もう少し、積極性と意欲が欲しい。せっかく高いお金を払ってきているんだから、何かを得て帰ろうと思わないのかな。その点、自分のお金で来ている人達は、とても熱心で「何かさせてください」と意欲満々の人が、多い。この高校生みたいに親のお金だと受身になっちゃうのかな。

「講習は、いつ受けてきたの?」「夏休み前の土日に受けてきました。」じゃあ、休みがずっとつぶれたということか。それも遊び盛りの高校生には、辛いことかな。

ボランティアと実習じゃあ、同じ時間、施設で過ごすにしても全く、質が違う。ボランティアは、無償奉仕。実習は、逆にお金を施設に払って勉強していく。だから、こちらも一対一でしっかり教える。例え少しくらい業務が滞っても実習を優先させることもある。

私は、できるだけ実施をしてもらうことにしている。見て、聞いているだけだと、なんとなく終わってしまうような気がするから。その人にできそうなことは、どんどん経験してもらう。

一つの仕事の区切りの時に必ず「何か質問は、ありますか?」と聞くのだが、なかなか質問が出てこないことが多い。ヘルパー講習では、質問できるほどの知識があるわけじゃないと最近、気がついた。逆に福祉専門学校の実習では、かなり高度な質問をしてくれるのでこちらも勉強をしなおすこともある。どつらにしても実習生がいることは、見られていることを意識するので仕事に張りが出る。

2002.08.16