第49回 リーダー

2018年8月31日

こんにちわ、永礼盟です。ご購読ありがとうございます。

少しずつ、良い風が吹き始めたと感じる今日この頃です。何となくホームに活気が生まれています。理由は、職員の人数が増えつつある事と、四角形の形が整いだした事にあります。

ホームの四角形とは、昼間の職員と、夜勤の職員と、看護士と、調理スタッフを結ぶと出来る形なのですが、この形が崩れると、ホームが上手く起動しなくなるという法則を以前書かせていただきました。今、その形が整いだしたのが主な原因かも知れません。

上手くコントロールしているのは、新しく配属になったリーダーです。この人物が熱い人間であることから、気づかぬうちに方向付けされ、そこに誘導されているのだと思われます。

会社の上の人間ですが、実は我々と同じ職員業から始まった人物なのです。言ったら叩き上げですよね。我々と同じ末端から始め、自分の思想と異なる点と、合致する点を、修正するために上に上がると言う強い信念を持っているのです。

彼が、今の我がホームを引っ張っている事は間違えのない事なのです。四角形の問題は、どこのホームにも、どこの組織にもある問題で、上手く行かないのが本当のところです。リーダーの我慢と、強い意志が、少しはまともな形を作ったのでしょう。そして、大きな点は、1対3の人員配置を取っ払ってくれた事にあります。

現場を知っているから、職員の立場が解る。どっちかと言うと、会社よりも職員側の人物なので、現場の意見をガンガン上に上げてくれるのです。そして、上からの指示に待ったがかけられるのです。

会社は、空き室が出来ると当然売ろうとします。空き部屋になると一銭にもなりませんからね。以前、こんなエピソードがありました。

共有部で、救急対応になった方がいらっしゃいました。職員も、入居者もいる所です。すごい光景でした。その方は、病院で息をひきとられ、その方の部屋が空き部屋になりました。会社はすぐにその部屋を売ろうとしましたが、ここで待ったをかけたのは今のリーダーです。ホーム全体が、その方の救急対応を見ている訳です。その方のお部屋に、違う方が入居されてきたら、救急対応先で何があったか察しがつきますよね?そんな些細な出来事から、ドーンと状態が落ち込んでしまう入居者もいらっしゃるのです。そこを、お金にならなくても、しばらく空き部屋にしておく事で他の入居者のケアに繋がる。そういう理念が、今のリーダーにあるのです。

数字だけでは計れない実情が、そこにはある気がします。その、現場と会社の溝を埋められる人物が、我がホームに来たのです。

このエピソードを実行出来る人物なんて、今まであり得なかった事です。ましてや、1対3の人員配置を変えられるなんて驚きです。ケアとサービスを実現させるなら、最低あと数人の人員がいる。会社に要求出来る今のリーダーの考え。何よりもホームが落ち着いて来ている事が結果を物語っています。

この人の強い意志に、しばらくついて行こうと思っています。今まで本当に辛かった。なにより、落ち着いたホームになった事が嬉しいのは私なのかもしれません。

2004.02.28

永礼盟