9月 2日はベトナム社会民主共和国のナショナルデーです。これは1945年のベトナム 8月革命のあとホーチミンが 9月 2日ハノイ市の大広場でベトナム民主共和国の独立宣言を行なったことにちなんでいます。今年は60周年記念でもあり、都内某一流ホテルで駐日ベトナム大使主催によるパーティが盛大に催されました。
チュー・トアン・カップ大使や大使夫人を中心とするホスト側がレシービング・ラインを作り、ゲストはその前を並んで順に挨拶をしながら会場に入って行くのですが、私の前に急に横入りする人物がいました。見ると王毅駐日中国大使でした。なるほど VIPは横入りOKらしいと変に納得。ややあって私の番になり、ベトナム大使に「このたびはお招きありがとうございます。お目にかかれて光栄でございます。月末にハノイにセミナーの講師でまいります。」と挨拶をするとやさしそうな大使は「それはありがたい事です。」とご自分の名刺をくださいました。大使夫人は髪をシニョンにまとめ、黒のベルベットのアオザイ姿でしたが、ベトナムの方としてはふっくらめで、アオザイなんて華奢な人しか似合わないだろうと思っていた私には目からうろこのエレガントなマダムでした。
会場に入れば、女子十二楽坊ならぬベトナムの民族楽器を使った美女たちと男性ひとりの演奏がステージから聞こえてきます。多くの方が思わず携帯電話をかざしてパシャリ、パシャリと写真を撮ったほどの愛らしさでした。
パーティは両国国歌でスタート。ベトナム国家は進軍歌ですから君が代とは対照的な雰囲気のものです。もちろん会場の日本人はほとんど歌えません。来賓の挨拶は川口前外相、乾杯の音頭は外務省藪中審議官という格の高さで、ベトナムにとり、投資額ナンバー1国家は日本というつながりの深さをあらためて感じました。ベトナムも世界一日本語話者の多い国をめざして教育を行なっているそうです。ドミンゴ・ L・シアゾン駐日フィリピン大使のお姿もありました。
一方、会場を見渡すとお子さん連れの女性もいれば、和服姿の女性も。日本女性のアオザイ姿もかなり見られました。しかしながら、いつも問題だと思うのは立食でのマナーです。日本人というのはなぜか食事を取ると移動せずに近くで食べることやおしゃべりに夢中になり、これからお料理を取ろうとする人のじゃまをしてしまうことです。ベトナム名物生春巻きの前には一時数十人が行列を作りました。そこへ堂々と横入りをした女性もいました。また、テーブルの向こう側(ホテルの従業員が入る側)に入り込み、お皿いっぱいに春巻を取り、ホテルの従業員に注意された男性もいました。食べたあとのお皿を置くスペースもなく、これはホテル側のサービスのしかたにもうひと工夫あっても良いのではないかと感じました。
駐在武官の方が非常に多かったことも特徴で、韓国の方もオーストラリアの方もいらっしゃいました。金モールのついた礼服の方や略章を制服に所狭しとつけておられる方ありで、日本のこのようなパーティであまり軍服姿を見ることはないだけに印象に残りました。テロ警戒でガードマンがわりに主催者が意図的に招待されたのでしょうか?だとすればベトナム人は非常に賢いと思います。あるは私の深読みのしすぎでしょうか。
河口容子
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