2005年は平和な年であるようにとの願いもむなしく、スマトラ島アチェ沖で想像を絶するような地震が起こり、大津波でインド洋沿岸に多くの犠牲者が出ました。惨状が刻々と明らかになり、「おめでとう」とは大きな声で言えないような年明けとなりました。幸い、地球規模での助け合いの動きが起こっています。犠牲者のご冥福を祈るとともに、被災者のかたがたが心身ともに早く立ち直れるよう、また、各国から援助に行かれたかたがたも無事任務を果たされるよう願っています。地震や津波の恐怖の音の記憶が早く復興の力強い槌音に変る2005年であってほしいものです。
ちょうど、同じ頃、私が国際ビジネスに関するお手伝いをしている会社の中国側のパートナーが決まりました。上海にある会社ですが、社長はまだ30代前半の男性で、上場企業傘下のメーカーの社長も兼任していますし、中央政府のプロジェクトのメンバーでもあります。彼とは昨年春にあるセミナーで偶然出会いました。しかも先方からご挨拶をいただきました。その後、何もやり取りはなかったのですが、年も押し迫って彼に相談したところ「話を持ちかけてくださって光栄なことです。」の一言で、大晦日までの数日間に普通なら 1ケ月以上かかりそうな話が一気にまとまりました。こういう運命的な出会いというか反応を得られる瞬間は何か音がするような気がします。香港のビジネスパートナーとスピード契約をしたときもそうでしたが、今回も2005年へ向けてゴーッとうなりを上げて飛んで行くような気分でした。
[109]お天気の話
日本人はお天気の話が好きです。手紙も気候の挨拶から始まりますし、商談もお天気の話でスタートすることが多いものです。以前、外国人と日本人の著者がそれぞれの本で異口同音に「日本人は異様に雨を悪者扱いする。」と書いてあるのが、それも立て続けに読んだだけに、非常に印象に残っています。外国人の著者のほうはカトリックの神父であり、「雨も必要だから神様が降らしてくださるのであり、いちいち文句を言ってはいけない。」それよりも「どうしてそんなに明日の天気が気になり、当たらなかった天気予報に対して文句を言わないのか不思議」と書いておられました。
特に東京ではほとんどの会社員は電車で通勤や外出をするため、雨に濡れると不快、傘という荷物がふえるということはあります。また、それだけ雨天の日が多く、また大雨で災害につながるというケースも多いため雨を嫌がるという傾向にあるのではないかと思います。色とりどりのブランド傘を商品として定着させたのも日本人らしい着眼点といえます。車社会ではブランド傘などあまり意味を持たないからです。お金持ちの香港人は日本製のブランド傘をよくお土産に買っていきます。