ロワール地方のことを「フランスの庭」と言うけれど城巡りをするとそれに頷ける。確かに庭園も多いしまたそれがフランス庭園の集大成のよう。城巡りをしても庭にはあまり立ち寄らない観光客が多いと聞いているが、庭園巡りはセットメニューであるべきと私に教えてくれたのは田辺保著の「ロワール川流れのままに」。
庭園巡りの意義とその楽しさを余すことなく紹介するこの本はロワール城巡りの前に是非一読してもらいたい。城にまつわる人間模様盛りだくさんのエピソードを思い出し笑いしながら行ける。ただ有名だ、世界遺産だと言うよりもこれらの城には生き生きとした物語があり、サヴィーネ夫人が著したヴェルサイユ宮廷並みのドラマがある事を知るでしょう。学校では他国の歴史、それもフランス史なんて詳しく学ばないから。読んで訪れれば自分もその歴史の登場人物の一人になってしまいそう。
どの城も見事なんだけれど大きすぎてカメラに収まらない。素晴らしい家具や調度品だから写真を撮りたいけど撮影禁止とある。それならば現地でガイド本を買うか。さすがロワールの城、世界遺産というだけでなく世界各国の観光客のためにガイド本もさまざまな言語で用意されている。日本語も数種。その中でも私が気に入ったのは「楽しいロワールの城めぐり」「ロワールの古城を訪ねて」の2冊。前者は写真が最近の撮影かとても新しい。後者はロワール観光を担当する複数の日本人ガイドによって書かれたもの。私たち日本人観光客の趣味嗜好がよく反映されていると思う。
城巡りをするならやはりトゥールを拠点にミニバスツアーに参加すべし。本数が少なく下車してからも目的地までの徒歩移動を考えるとかなり便利。様々な国からの観光客ミックスもまた楽しく、次から次えと効率良く案内してくれる。私が今回利用したサンテロワ社はCDによる車内日本語解説があるらしい。また他社と違って一人からの参加も受け付けてくれたし、半日ツアーなら15ユーロからとまるで相乗りタクシーより安い。
シャトー巡りはミニバスで、トゥール市内観光にはプチトラン又は馬車もあるよ。 私はプチトランを利用しての観光が大好き。まずそれで一周してからゆっくりときちんと見たいところを決める。地図宛てに迷いに迷ってやっと見つけた場所が「なんじゃこれ」とがっくりするよりも効率的。
ミニバスSaint-Eloi社: http://www.saint-eloi.com
夢路とみこ