[085]フランシュ・コンテのチーズ

フランシュ・コンテのチーズはこの地方をよく現しているようで素朴な味が多いと思います。シンプルであまり凝ったことをしていない。牛乳をそのまま加工したらこんなのが出ましたぁ~。みたいな優しい味。だから背伸びをする事もなく私も田舎者丸出しでここのチーズを頬張る。
まずフランシュ・コンテの代表的チーズと言ったらやっぱりコンテ。正式名称にスイスのグリエールの名が入っているだけあってグリエールに味も製法も似ている。ただコンテはAOC(原産地呼称統制)のチーズだけあって色々と製造条件が厳しいらしく牛乳も指定されているので市場に出るとお値段が高くなる。高いと言っても黒いダイヤモンドのトリュフではないからご安心をば。
私が好きなのは18ヶ月熟成したComteコンテ。ちょっとジャリジャリ感があってフランシュ・コンテの黄色いワインに良く合う。グリエールのようにちょっとした苦味もたまらない。コンテは高いし、日本でチーズは賞味期限が短いからあまり日本では売ってないらしい。だったらフランスに来たら是非コンテをご賞味あれ。


昔、牛乳で税金を治めていた時代にとある村では朝絞った牛乳だけを徴税人に見せ、その乳でチーズを途中まで作り夕方に再び絞った乳でチーズを完成させた。昼間、生産途中のチーズ表面にヒビが入らないよう灰を被せたのでチーズの真中に灰のラインが残った。このチーズ、Morbierモルビエは税金逃れの農夫の知恵から生まれたそう。今日ではその伝統を維持する目的で灰を入れてますが何の灰なのか私も未だに知らず。日本では炊飯器の中に木炭を入れる事もあるからチーズに灰が入ってもいいかな。味覚の優れている人はその朝の牛乳と夕方の牛乳の違いが分かると言いますがさぁ~。このチーズは秋から冬にかけてしか製造しないので期間限定品。とても貴重なチーズ。
そしてCancoillotteカンコワイヨット。これはディジョンでホームステイ中にマダムから勧められて食べるまで全く知らなかった「なんじゃこりぁ」的な可笑しなチーズ。それはまるで木工糊のように白くて粘りのあるチーズ。そのとろみがたまらん。トーストしたパンやフランスパンにそのまま付けても良し、レンジでチンして更にどろついたものをソースにしてモンベリアールのような荒引きソーセージ、ふかしたジャガイモにかけて食べたら思わず「おじいさん、おいしぃー」とハイジのような声が出そう。その位に田舎チックなチーズです。
夢路とみこ