先日こちらでは大統領選挙がありました。結果はすでに日本でも報道されていますが、シラク圧勝でした。先月に予備選挙があり複数の候補者からシラクとル・ペンになった時、フランスの到る所でル・ペン反対デモがありました。もちろんディジョンのデモもすごかった。だから当然と言えば当然の結果ではあるのでしょうが。
でも、このル・ペンを支持する気には全くなれないけど、でも偉いと思う事があります。というのも大統領選に対する執念というか、根性というか。私が最初に彼を知ったのは1987年、その時も大統領候補としてのル・ペンです。当時、私はオート・サヴォア県にある私立大学の語学学校の学生でした。受講していた文明講座の時間に知りました。その時は彼が極右であるという事よりも彼の元妻が彼の政治信念に反発して某誌にヌードピンナップを出したという話しの方が私達学生の関心をそそりました。
あれから十数年、何度も予備選で振り落とされながらも粘ってここまで来たとは。大統領になる事を一筋に頑張ってきたという事は、思想には協賛できずとも関心はしています。彼を初めて見た1987年、私の専攻は国際関係学。政治家を夢見ていたわけではないけれどそれに近い筋のキャリア設計を計画。しかしル・ペンのような執念もなく、今は政治とは程遠い観光業にて幸せ。
でもル・ペンが大統領になっていたら外国人労働者はすぐに解雇だったのではないかと真面目に心配しました。今だって労働許可の取得は難題なのに。シェフや寿司職人、学者のような技術職は比較的簡単の様ですが私のようなただのOLは困難極まりない。現に私だって週20時間パートタイムの許可。これは滞在許可書を学生で持っている人向けに支給されているもの。
人事部からの説明によれば、職安に求人募集を掛け待つ事3ヶ月位、それまでに条件を満たす邦人が決まらず外国人しかいない場合、一定の罰金???を払って外国人雇用が認められる。そして更に一人雇用する場合、邦人、外国人に関わらず社会保障額として給料+45%を企業側負担だから厳しい。また技術者でない外国人の雇用の場合、その理由が明確でないと難しいと。
説明聞いているだけでお先真っ暗だと思いました。だから様々な条件と共に会社側と妥協し合って解決策として出したのが、学生向けのパートタイム労働許可証書という事でした。融通の利く政治体制の時代に融通の利く会社で働く事が出来たという幸運なケースだったのでしょう。
夢路とみこ