ディジョンにある商工会議所青年部のメンバー達が2004年にこの祭りを成功させたのをきっかけに実行委員会を協会として発足し今年も大成功しました。これはこの町の新しい祭りとして毎年7月の最初の週末に今後も継続されます。今年は何と1万人の観光客が来たとか。半年間に及ぶ準備に実行委員会のメンバーとして皆にぶらさがっていた私としてもこの数字には感無量です。2日間猛暑の中、中世の衣装を来てプログラム配りを私も頑張ったのだから。
この祭りは大公時代を偲ぶという事から「中世祭り」ではありますが、ここはブルゴーニュの首都ディジョン。中世をテーマにした講演会、吟遊詩人、踊り、鷲のパフォーマンス、中世の庭園はもちろんのこと。観光局主催のガイドツアーも当時の格好で大公時代からの建造物見学。資料館ではある日の大公お食事メニューの展示、なども。
でもやはり人気を集めたのはこの町が誇る、ミッシュラン星付きシェフによる中世の晩餐会メニューの再現。ここまでやったのはこの町が「大公の町」であるという誇りから。75ユーロで用意した110食は飛ぶように売れて17ユーロのビュッフェもすぐに。お土産屋のスタンドにはブルゴーニュで栽培した種で作った本当の「ディジョンマスタード」もあり、イポクラス(中世のワイン)まで売っていたのには私も驚いてしまった。
半年ここで傍観者として参加して、いつも作戦会議に出席する度に「フランス人って何てまとまりないんだろう」と思ってましたが、バラバラのようでいざとなったら団結するのがこの国の国民性かもしれないと祭り開催が近づくに連れて気づきました。メンバーは30代を中心に皆それぞれ弁護士、医師、教師、会計士、店長と本業を持ち、祭りの協賛スポンサー探し、大道芸人への出演交渉、ポスター、パンフ製作等は全て本業の時間外に。フランス人がのらりくらりとしていると言った私の言葉は撤回します。フランスでは深刻な嫁不足、若者の失業問題を抱えているようですが、この実行委員会ではそれを全く感じさせなかった。こんなに精力的且つ効率良く作業する彼らに失業は無縁。皆若いからキビキビしてる。異業種の同年代の男性と女性メンバーが集まるから恋の花咲く事も。彼らはここで社外人脈の形成と理解し会えるパートナー探しにも燃えてた、確かに賢いやり方だ。
大公祭りサイト:
http://www.dijonfetesesducs.com
夢路とみこ