[180]ようこそ日本へその7

昔からワインと日本酒が大好きでこれは底なしに飲むほう。けれど日本酒に関してはお店で飲むだけで家では専らワイン。ストックしているのもワインのみ。日本酒はおつまみがないと飲めないし、それを作るのも大変ですから。ワインならそれだけでガブガブ行ってしまう。
日本酒は海外でも普及していて、パリだったら地酒でも吟醸でも入手可能。でも、日本人のワイン知識に匹敵する程に日本酒の知識を持つ外国人には未だかつて会った事がない。悲しい事に私の知る外国人は大抵日本酒と老酒を混合している人が多い。日本酒の古酒となら分からないでもないけれど、でもがっかり。中華料理店では老酒を「酒」と呼んでいるところにも寄るのだろうけど、せめて中国産の酒と明記して欲しい。


吟醸も冷酒も好きだけど、一番美味しいと感じるのは清酒をオンザロックで飲むこと。この美味しさは芳醇な赤ワインを大きなグラスに入れて空気と混ぜ合わせる時の旨みに共通するものがあると思います。この場合のワインはグランクリュでなくても良い、清酒と同じレベルの普通のワインでも十分に美味しい。
先日京都伏見で千石船という昔ながらの貨物船が豪川を三栖閘門まで観光船として運行する船に乗船。簡素な屋形船のような船で素朴な日本の田舎の水路を40 分程度のクルーズを満喫。三栖閘門がローヌ川のボレーヌ閘門を思わせる。
閘門の傍にある三栖閘門資料館で日本での閘門の歴史について学んだ。フランス各地で閘門資料館に行ったけど日本のそれもまた興味深い。船旅に閘門、職業病です。その後、月桂冠大倉記念館を見学。もちろん試飲もあって日本酒を視覚と味覚で楽しめた。ワイナリー見学も良いけどたまには日本酒の酒蔵も。
ほろ酔い気分で次は酒蔵を改造したレストラン「月の蔵人」で食事。日本酒も清酒、吟醸から古酒までバリエーション広く試飲セットもあったのがまるでワインバーでの食事みたい。2000円程度のランチメニューは量も種類も豊富な京懐石風。京都らしくお豆腐もゴマ豆腐もあった。この日の観光コースは日本人の私よりも日本を訪れる外国人観光客に味わってもらいたい日本の美と味。外国人の日本酒ファンが日本のワインファンを数で超える日はそう遠くない?
三栖閘門(みすこうもん)資料館
http://www.misu-museum.jp/
十千石舟の問い合わせ先 (株)伏見夢工房 075-623-1030
月の蔵人 075-623-4630
夢路とみこ
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