[039]労働組合の旗揚げ

2012年10月12日

 

労働組合をつくるというのは大変な仕事です。しかし、労働組合を作る行為は憲法でその自由を保障されていますし、健全な組合活動は労働者の働く意欲を増し、経営者にとってもプラスに働くものです。
 
組合を結成する目的が、ただ戦うだけのもので終わらせるなら最初からやらないほうがいいし、労働環境の改善が望めないような会社ならさっさと転職したほうがよいといえるでしょう。要は、「組合を作って何をするか」ということです。労使が話し合いの場所を持ち労使ともに意見を戦わせ、結果的に企業の繁栄をもたらすものでなければなりません。
 
労働者なら誰でも自由に労働組合をつくることができます。届け出る必要も、もちろん誰かに承認してもらう、というようなことも必要ありません。また、労働組合法も労働者が正当な組合活動を行ったことによって、使用者がその労働者に不利益になるような取り扱いをすることを禁じています。
 
しかしどうせ労働組合を作るなら労働組合法にのっとったものを作るほうが得策です。法の要件を満たした労働組合は法に基づいた労働争議が認められるからです。例えばストライキなどは組合法で認められた争議ですが、その前に法で認められた組合であることが前提となるからです。
 
おおっぴらに組合結成運動をしても構わないとはいえ、労働組合を作ることを快く受け入れる経営者は皆無といっていいのが現実。そこに組合作りのポイントがあるといえます。
 
労働組合結成に際しては準備委員会を極秘のうちに作って、組織を固めておく必要があります。委員会の役員は労働基準法等の労働関係法令に精通していなければなりません。これから経営者と渡り合うわけですからそれなりの覚悟が大事です。労働組合は法律で認められた組織ですから、どういう風に認められているかを熟知する必要があります。
 
そしてあらかた固まったところで、できれば経営者の理解を得ることも必要です。準備委員会がほぼ順調に進んでいればこれは不可能なことではありません。現在の労働基準法では、その実施に当っては労働組合があったほうが経営者にとっても都合のいいことがたくさんあります。勉強している経営者ならあっさりOKするでしょう。問題なのは勉強していない経営者です。勉強していないからこそ労働組合を結成されてしまうのでしょうけど。
 
まずは、所轄の労政事務所や大手労働組合に聞いてみることをオススメします。