[184]読者Q&A『有期雇用契約の更新回数』
■読者からの質問
今年8月、契約社員として入社しました。1年契約で、最高2回までの契約更新(最長3年の労働)可能です。
以前に採用された人々は、1年契約で、最高3回までの契約更新(最長4年の労働)可能でした。
この労働条件の変更について、雇用主からの説明によると、雇用主としては最長4年間働いてもらう準備はできているのだが、法律改正によりそれができなくなったと。つまり、現在の法律が「契約更新によって働ける最長の期間が3年」と定めていると言うのです。
本当ですか。
(契約書には「1年契約であり、契約の更新は2回まで認める」との旨が明記されているので問題はありません。ただ、現在の法律が「契約更新によって働ける最長の期間が3年」と定めているのかどうかを知りたかったです。)
■たまごやの回答
お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。
行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。
前回説明した有期雇用契約の場合の更新回数についてのご質問です。
確かに有期雇用契約の期間は最長3年と改正されました。
労働基準法第十四条
しかしこれは「3年以上雇用してはいけない」という趣旨ではなく、1回の契約期間として3年を超えてはいけない、という意味です。したがって「契約更新によって働ける最長の期間が3年」という雇用主の発言は問題だと思います。
お話の中で、むしろ問題となるのは契約期間ではなく、更新回数を制限している部分です。法律では継続雇用を促進しているのに、更新回数の上限を設けてそれによって雇用を終了させようとするほうが問題となります。更新回数の上限を義務付けている法律はありません。民法にも労働基準法にもありません。
しかし、就業規則に更新回数の上限を定めることはできてしまいます。したがって、既に就業規則に更新回数の上限が定めてある場合は、その更新回数の上限に従うしかありません。
しかし、これから「就業規則に更新回数の上限を盛り込む」などの動きがある場合は、回数制限は労働条件の不利益変更にあたりますので、これは争うことができます。いずれにしても有期雇用契約を締結するときは、十分な説明を受けるとともに、就業規則の確認はしておきたいものです。
2005/10/04(原文)
2006/06/27(加筆)
関連リンク:
有期雇用契約