[153]雇用保険の知識(5)受給資格期間

(5)受給資格期間

【受給期間は1年間のみ】

退職後の求職手続きはできるだけ早く行なうことです。基本手当の受給資格期間は原則退職日の翌日から1年と決められていますので、給付日数が残っていても1年で打ち切られてしまうからです。

退職して10日ほどで会社から離職票を受け取ることができます。離職票の交付を先伸ばしにする会社もあるようですがきっちり請求しましょう。この離職票とともに必要な書類をハローワークの窓口に提出します。書類が受理されますと求職者給付の受給資格が得られます。

受給資格決定日から7日間は待機期間となりその間は基本手当支給の対象外となります。

受給資格決定日から10日後に受給説明会があります。この説明を受けると同時に最初の失業認定日が指定されます。最初の失業認定日は受給資格決定日から4週間以内と決められています。

初回の失業認定日に失業の認定を受けると、受給資格決定日から失業認定日の前日までの日数分(待機期間を除く)の基本手当が支給されます。基本手当は約1週間以内に振り込まれるのが普通です。以後4週間ごとに認定が繰り返されます。

なお、自己都合退職者の場合は待機期間満了の翌日からさらに3ヶ月の給付制限期間が設けられており、すぐに基本手当を受給することはできません。

(詳しいお問合せは最寄りのハローワークまで)
http://www.hellowork.go.jp/top.html

[152]結婚を理由の配転

多くの会社では、結婚を理由とした配置転換が慣習的に行なわれています。同じ職場に夫婦がいると業務に差し障りがあるというものです。どのような差し障り?と聞きたくなってしまいます。世の中の流れとしてはこれは旧態依然とした「悪い慣習」と言わざるを得ませんが、事業主がそう思うのであれば甘んじなければならないのが現状です。使用者の意向は尊重されるのです。

しかし結果として女性のみを配置転換させる場合は男女雇用均等法に抵触し、会社の慣習として強制的に配置転換させる場合は権利の濫用にあたる可能性があります。

同じ会社の社員同士の職場結婚の場合は、片方の社員を配置転換させることが行なわれ、その多くは女性に配置転換を迫る場合が多いようです。結婚後は家庭を作らなければなりませんが、配置転換により多くの負担を強いることとなり結果的に女性は退職せざるを得ません。またこのような退職させることを目的として配置転換をする場合も多いようです。

ポイントとなる点は、まず配置転換は本人の意志は必要ない(会社は配置転換を命令できる)とはいえ労働者の生活に大きな変化をもたらすものです。したがって業務上の必要性と労働者の不利益を考慮して行わなければなりません。

また配置転換の理由ですが、結婚は個人の問題であり、結婚が就業能力に影響するとは思えず、会社の慣例としての一律の配置転換は職権の濫用にあたります。

配転については、86年7月14日の東亜ペイント事件の最高裁判所判決で、配置転換の権利乱用になる三つの要件として、業務上の必要性、二つは他に不当な動機、目的がないこと、そして三つ目は労働者に対して通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものでないこととされ、該当すればその配転は無効とされています。

就業の条件として、結婚の有無や予定、家族や家庭の状況等、職務能力に関係のない事項を理由として、労働条件を変更することは職件の濫用および労働条件の不利益変更にあたり労働基準法に抵触することを知らなければなりません。

結婚を理由に配転を迫られたら?

・就業規則に結婚を理由とした配転の記述があるかどうかを確認する
・会社に男性のほうを配転する意志があるかどうかを聞いてみる
・配転先が遠いなど不利益をこうむる場合は昇給や手当を打診してみる
・配転を拒否してみる

解決しない場合は、労働局の「個別労働関係紛争のあっせん」という制度がありますので利用してみるのもいいでしょう。費用は無料です。

[151]雇用保険の知識(4)基本手当の金額

■雇用保険の知識

(4)基本手当の金額

基本手当(求職者給付)は今まで働いていたときの「賃金日額」によって決まります。賃金日額は離職前の6ヶ月間に支払われた賃金の合計を180日で割った金額です。退職金や賞与は含まれません。

この賃金日額に所定の給付率を掛けたものが基本手当日額になります。給付率は賃金日額が低い人ほど高く設定されています。

    賃金日額X給付率(45%から80%)=基本手当日額

基本手当日額はその最低額と最高額が決められています。

・最低額

1,712円

・最高額

受給資格に係る年齢に応じて次のように区分されます。

30歳未満6,580円
30歳以上45歳未満7,310円
45歳以上60歳未満8,040円
60歳以上65歳未満7,011円

給付率は以下のとおり

60歳未満

2,140円以上4,210円未満 80%
4,210円以上12,220円以下 80%~50%
12,220円超 50%

60歳以上65歳未満

2,140円以上4,210円未満 80%
4,210円以上10,950円以下 80%~45%
10,950円超 45%

さてこの基本手当日額に給付日数を掛けるともらえる総額が算出できます。給
付日数は離職前の就労状況によって大きく変わります。概要は以下のとおり
http://www.tamagoya.ne.jp/roudou/kyuuhu.html

[150]雇用保険の知識(3)基本手当の受給

(3)基本手当の受給

雇用保険の基本手当を受けるには公共職業安定所(ハローワーク)に失業状態であることの認定が必要です。基本手当は求職者給付とも言われるくらいですから、つまり「失業中であるが求職している」ことが必要です。そもそも再就職の意志のない人は基本手当を受給することはできません。

これに加え、雇用保険被保険者であった期間が離職の日から1年以内に通算6ヶ月以上であったこと、離職によって雇用保険の被保険者資格が喪失していることの確認が必要となります。

基本手当は労働者が住んでいる所轄のハローワークで受け取ることができます。手続きに必要なものは以下のとおりです。

1.雇用保険離職票-1及び離職票-2

2.雇用(失業)保険被保険者証

3.印かん(スタンプ式印かん以外のもの、三文判は可)

4.住民票又は運転免許証(その他住所及び年齢を確認できる官公署発行の書類)

5.写真1枚(縦3cm・横2.5cm程度の正面上半身のもの)

6.本人名義の普通預金通帳(郵便局・外資系金融機関以外のもの)

このうち、離職票は勤めていた会社からもらうことができます。

これらの書類と共に、ハローワーク備え付けの求職票に必要事項を書き込み提出します。その後簡単な面接、説明会を経て、ハローワークより失業状態であることが認められれば基本手当の受給資格が得られます。

基本手当を受けるためには、上記の手続きを行なった後、指定された日にハローワークに行って失業の認定を受けなければなりません。この日を「認定日」といいますがこの認定日に行かないと、その認定日の対象期間について失業の認定を受けることができません。つまり基本手当を受けることができなくなるので注意しましょう。

(詳しいお問合せは最寄りのハローワークまで)

[149]改正労基法「解雇権について」

経営者の解雇権を暗に盛り込んだ改正労働基準法が6月27日、参院本会議で可決、成立しました。半年以内に施行される模様です。

今回の改正案原案は今まで最高裁判所の判例によるしかなかった「解雇」について初めてそのルールを明言したものでした。

政府原案:

「使用者は労働者を解雇できる。ただし、社会通念上相当であると認められない場合は無効」

ところがこれを受けて野党は「使用者が自由に解雇できる」との印象を与える「首切り法案」になると強く反発し、与党もこれを受けて修正協議をし「解雇できる」との部分は削除されました。

さらに野党は「解雇されない条件」を盛り込むよう要求しましたが、今回は見送られたようです。

改正表記:

「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とする」

しかしこの表記は「解雇できることを含んだ」表現ある点に注目しなければなりません。明らかに不当解雇の場合は抑制されるでしょうが、そもそも解雇についてのトラブルは労使問題の最多事項であり、「解雇したい企業」と「解雇されたくない労働者」の実態を受け、円満な解決を促す改正労基法ですが、どうも「解雇したい企業」に都合のよい法であることに間違いないようです。