[263]読者Q&A『紹介予定派遣で正社員雇用になったが』

 

■読者からの質問
 
とある会社に紹介予定派遣で正社員雇用になりました。社長と社員一人の会社です。入社して驚いたのは、社員が社会保険にいれてもらっていないこと。厚生年金も会社より払ってもらってないとのことでした。
 
勤務時間は、9:00-18:00。
昼休憩は、社内で食べれば、15分程度で即仕事。
業務過多の為、残業(残業代なし)で、9:00-23:00までの勤務も、ほぼ毎日。
そんな会社に入ってしまい、仕事が遅いという理由で、週休2日を、週休1日にしなさい、という話がありました。
 
業務上、会社に損失があろうがなかろうか失敗とみなされれば罰金(500円)を社内貯金箱に徴収され、大きな会社、大きな派遣会社に勤めたことしかなく、個人経営の会社はこういうものなのかと呆れています。
 
社長の友人には、社会労務士や弁護士さんなどいらっしゃいます。その人たちは内情を知れども、知らないふり。こういう会社は、どこに行けば、上のような所業をやめてもらえるのでしょうか。本人にいったところで、社長命令です、と言われてしまえば、社員は聞くしかありません。
 
■たまごやの回答
 
お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。
行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。
 
『紹介予定派遣で正社員雇用になったが』
 
現在の身分が派遣なのか正社員なのかよくわかりませんが、正社員雇用されたとして以下の回答です。
 
大体個人でやっている企業は似たり寄ったりです。労働法など知らなくても会社設立はできますから。そういう会社は社長=ルールブックです。
 
しかし従業員を一人でも雇えば、法律の縛りが出てきますので、そのあたりを
指摘しながら解決の道を探りましょう。
 
・一人でも雇えば社会保険は強制加入
・休憩時間は労働基準法で規定されている
・罰金は制裁にあたるので就業規則に記載が必要
・残業代の支払いも割り増しで支払い義務あり
 
相談に行く場所は労働基準監督署です。上記にあたる証拠(契約書、就業規則)を持って出かけましょう。
※社員一人では就業規則は無いかもしれません
おそらく、労働(労災)保険にも加入していないと思うので、監督署はすぐに動くと思います。
 
しかし不可解なのは紹介派遣を経て正社員登用になったとすれば紹介派遣のときにこの実情がわからなかったのでしょうか?
紹介派遣制度は正社員雇用の前に、実際にその会社で働いて自分に合うかどうかを決める猶予を与える制度です。紹介派遣時点で、ひどい会社であることがわかれば、ほかの会社を選択することもできたと思うのですが。
 
いずれにしても、こういった横暴なワンマン社長の会社はなかなか改善することは難しいのでさっさと違う会社を探しましょう。
 
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[262]読者Q&A『年次有給休暇の買取と再雇用』

■読者からの質問
 
有給休暇について、退職時買取り(精算)してもらえるのですが、弊社では一旦退職後、アルバイトとして再雇用する場合があります。この場合、有給休暇は退職時に精算すべきなのでしょうか。または例えば会社が認めた場合はそのまま継続使用することができるものなのでしょうか。退職するのだから一旦精算すべき、とも思うのですが、この辺りの法的見解がよくわからずにおります。基本の部分を知りたいと思っております。
 
■たまごやの回答
 
お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。
行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。
 
『年次有給休暇の買取と再雇用』
 
退職時に有給休暇が残っていた場合、その有給休暇に対して退職後の期間に事実上時季変更権が行使できない場合に、その残った有給休暇を金銭で買い取ることが認められています。しかし、退職後に再雇用となった場合には、その取り扱いは微妙となります。
 
◇退職時には正社員、再雇用がアルバイトの場合
 
この場合、有給休暇の買取は、正社員の時の平均賃金となります。もし有給休暇を引き継げたとしても、引き継いだ後はアルバイトの期間の平均賃金となるので、おそらく金額が少なくなってしまうでしょう。この場合、退職時に買取をしてくれるという会社のスタンスなので、買取をしてもらった方が手取り額は多くなると思います。
 
◇退職から2ヶ月経過してアルバイトとして再雇用
 
通例として、退職から2ヶ月間を経過した場合は、以前の労働契約は完全に打ち切られたとみるのが普通です。従ってこの場合は、有給休暇や勤続年数は引き継がれません。なので、有給休暇は買い取ってもらう方法しかありません。
 
◇退職から1ヵ月後にアルバイトとして再雇用された場合。
 
通例(2ヶ月を経過していない場合)として、勤続年数や有給休暇は引き継がれると判断するのが妥当です。この場合は有給休暇の買取は会社の任意となり、有給休暇を引き継ぐことは会社の義務となります。しかし労働者からすれば、先の記述のとおり、賃金条件は正社員の時の方が有利なので、買い取ってもらった方が労働者にとっては有利になります。
 

[261]読者Q&A『休日と休暇、その定義』

■読者からの質問
 
総務の仕事をしています。当社は販売会社で休暇・休日の出勤があり、社員との解釈の行き違いが多く発生しています。ついては、下記はどこからの引用なのか、お教えください。当方も調べましたが、これほど明確に説明している法令等の箇所が見つかりませんでした。よろしくお願いします。
 
『休暇とは?』
労働義務のある日を休むことを「休暇」といいます。したがって年次有給休暇は本来仕事をする日に取るべきものです。
 
■たまごやの回答
 
お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。
 
『休日と休暇、その定義』
 
「休日は労働の義務がない日、休暇は労働義務がある日を免除する日」。労働法関係の教科書・解説書にも当たり前のように書かれている事項ですが、厳密に休日と休暇との違いを定義されているのか、というと結構難しい問題だと思います。法律で明確に定義しているのか、というと、この違いの定義はおそらくないだろうと思われます。
労働基準法では、まず週に一回の休日を与えることを義務付けています。これは労働義務のない日ですから、これをもって「休日」という語句を労働基準法は使用しています。
 
(休日)第三十五条
使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
http://www.tamagoya.ne.jp/roudou/rouki4.htm#35
 
その上で、その休日以外に、本来ならば労働義務のある日に対して年次有給休暇を与えることを義務付けています。このときに「休暇」という語句を使っています。
 
(年次有給休暇)第三十九条
使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
http://www.tamagoya.ne.jp/roudou/rouki4.htm#39
 
つまり、労働基準法を解釈する上で『休日は労働の義務がない日』、『休暇は労働義務がある日を免除する日』となるわけです。
ちなみに、労働基準法はこのように休日と休暇を分けていますが、世間ではこれほど厳密に分けることはなく、一般に「休日」で通っています。英語にしても休暇と休日を分けることはなく「Holiday」一本です。
 
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[260]読者Q&A『試用期間を延長させられた』

 

■読者からの質問
 
アパレル系の会社(販売)に転職した20代の女性です。このたび、試用期間について、よく分からず、また納得できないことがあったので、相談のメールをさせていただきました。
 
アパレル系の会社に入社の際、「3ヶ月から6ヶ月は試用期間としてアルバイト扱いになる」と言われて承諾し入社したのですが、6ヶ月経っても正社員についての案内がありませんでした。
 
私は、交通機関の遅れで1度だけ5分ほど遅刻したことがある程度で、あとは遅刻・早退・欠勤もしていません。このような対応をされ、もう不信感でいっぱいで、再転職を考えています。法的には、この試用期間の無告知での延長というのは、認められているのでしょうか?
 
■たまごやの回答
 
お便りありがとうございます。かなりの長文でしたの要点のみとさせていただきました。で、例によってアバウトに答えさせていただきます。行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。
 
試用期間というと「試しに使える労働力、とりあえず働いてもらって、採用するかどうかは後になって考えよう」みたいなイメージがあります。しかし、法律は試用期間はほとんど本採用に近いものとしてとらえています。試用期間をとりあえずの採用と安易に考えていると使用者は痛い目に遭うかもしれません。
 
試用期間とは?
 
採用の前に、履歴書や職務経歴書を確認してもその人物を的確にとらえることはできません。そこで一定期間試しで雇ってみる試用期間という制度が設けられています。
 
試用期間を設けるかどうかは、会社の意向によります。試用期間を設けない、としても一向に構いません。しかし試用期間を設ける場合には、そのことを就業規則に盛り込まなければなりません。【←重要】
 
また、試用期間というのは採用されるのか不採用なのか、試用される労働者にとっては心理的負担を強いる期間です。そこで試用期間については期間を定めることが必須となっています。【←重要】
 
期間については労働基準法では規定がありませんが民法の解釈上そうなっています。したがって「いつまでも試用期間」というのは認められません。試用期間の長さは一般的に3ヶ月、もしくは6ヶ月が多いです。最長でも1年が限度となっています。
 
試用期間が終わった場合、その試用期間を延長するような場合は、まず就業規則を確認します。就業規則に3ヶ月、とあれば、それ以降の延長は認められません。延長が可能な場合は、その延長のことも就業規則に記載する必要があります。就業規則にその記載があり、かつ延長するに値する正当な理由がある場合のみ延長が認められます。
 
試用期間中の適格性をみて試用期間終了後に不採用とする場合、法律上は「解雇」になります。つまり試用期間中であっても解雇の正当性が問われるということです。
 
適格性の判断項目例:
 
・出勤率不良
・3回以上無断欠勤
・勤務態度や接客態度が悪く、注意を受けても改善されなかった場合
・協調性を欠く言動や粗暴など、従業員としての不適格性がうかがえる場合
・経歴詐称
など
 
試用期間は教育や指導をする期間でもあるので、上のような不適格事由があったとしても、いきなりの解雇は認められず、その期間中にどのような教育・指導をしたかがポイントになります。また試用期間を延長するためには、延長せざるを得ない特別の事情があって、更に本人の同意も必要です。
 
使用者側としては、延長する期間を定めなければ本採用したと判断されますので、やむを得ず延長する際は必ずその期間を定める(同意書などを取り付ける)ようにする必要があります。
 
で、結論ですが、店長ではなく、社長に掛け合うこと。同時に労働基準監督署に匿名で相談するのがいいでしょう。社長が同じような対応をしたら、この会社はなんだかんだといちゃもんを付けて試用期間を延ばそうとする「試用期間について何の知識も無い会社」なので、転職を考えたほうがいいでしょう。
 
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[259]読者Q&A『退職日の前倒しと年休』

 

■読者からの質問
 
このたび退職することになりました。5年間勤めましたが、途中年次有給休暇はほとんど取らせてもらえず、退職時点で年次有給休暇が40日まるまるあります。この40日を労働日にあてて退職日を5月31日にして申請しました。しかし却下されました。そんなに有給休暇を取らせることはできないというのです。押し問答の末、退職日を4月30日にさせられました。有給の消化は22日しかありません。残りの18日分はもらえないのでしょうか?
 
■たまごやの回答
 
お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。
行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください
 
まず、年次有給休暇を労働日にあてた行為は正しいです。週休2日制の場合、その休日には年次有給休暇をあてられませんから。
 
で、残っている年休を労働日にあてた上で退職日を決めるというのはこれも正しい方法で、こうすることで労使双方とも円満に退職手続きを踏むことができます。
 
しかし、今回のケースのように、年休を取らせないという企業もあることも事実です。この場合はどうなるか。
 
退職日を本人の希望通りではなく前倒しにするということは「解雇」にあたります。解雇自体は違法ではなりませんが、正当な理由が必要で、今回の場合本人に非はありませんから解雇は認められません。
 
退職日を会社都合で前倒しにする場合は、消化し切れない年休を買い上げることもあります。年休の買い上げは通常は認められませんが、退職時には、買い上げもやむをえないということで認められています。
 
で、どうしたらよいかということになりますが、まず、退職日の希望を再度書面で提出しましょう。
 
それを受け入れられない場合は、労働基準監督署に行って相談ということになります。退職なので実名で調査を申し込みましょう。退職日を前倒しにする、つまり解雇に当たるか、その場合は解雇理由、などを調査して報告してくれます。おそらく解雇にはならないので、あっさり支払い命令が出ると思います。
 
いずれにしても、本人が確たる信念思って退職日を申告することが肝要です。そして「どうせ辞めるからいいや」とあきらめないこと。もしあきらめてこういったことが会社の前例になると、あなたに続いて辞める人が同じ眼に会います。そうした前例を作らせないためにもがんばっていただきたいと思います。

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