[41]音楽配信本格化
オーディオの観点からすれば、そのソースの始まりとして一番大きな存在はLPレコードであったと思います。このLPレコードをいかにHI-FI (High Fidelity)に再生するかでオーディオ各社はシノギを削りました。その結果としてオーディオは文化といえるほど成長したと思います。
そしてその後時代は大きくアナログからデジタル音楽CDに移行しました。ここでもデジタルサンプリング技術で各社シノギを削り、ここでも大きくオーディオ技術は進歩したのです。そして今年、その音楽CDにも大きな転機が訪れようとしています。
それは今まで著作権問題でなかなか実現しなかった音楽配信です。このところ音楽ソースを電子データでやり取りするという動きが本格化し始めました。音楽配信サイトができ、それの受け皿となるデジタルプレーヤーが揃えば、もはやCDの出番はなくなること必至です。
音楽は一曲100円から150円くらいでネットで買える。しかも好きな曲をだけを買うことができる。買った音楽はデジタルプレーヤーで持ち歩ける。パソコンでも聞けるし携帯端末でも聞ける。場所を選ばずしかも高音質で聞けるようになるのです。音楽CDも呼応するように様相を変えてきています。ソースではなく記録媒体として使われ始めているのです。カセットテープのような使われかたです。
一時期10連奏CDプレーヤーなどという物がありました。10枚をセットしておきチェンジャー式で聞けるプレーヤーです。しかし今はほとんど姿を消してしまいました。なぜならパソコンで曲を圧縮してCDRに収めれば、一枚に100曲は軽々入ってしまうのです。チェンジャー不要です。
さらに、ハードディスク式のデジタルプレーヤーならばCDRなども使わず1000曲2000曲も入ってしまいます。それをAUXで入力すれば良い。こうなれば、いずれCDの出番もなくなるといえましょう。
ピュアオーディオの行方はどうなるのでしょう。映像抜きのピュアオーディオはやはりアナログディスクに固執するのでしょうか。それともデジタル技術を追いかけるのでしょうか?
それにしても、驚きなのは100年変わらぬスピーカーの原理。未だにコイルと磁石でコーン紙を動かすのが主流。先進技術と旧態技術が織り成し、混沌とするオーディオの世界。趣味の世界とはいえ摩訶不思議な世界です。
2005-08-23