[286]できる人の30分ルール
ちょっと前までは電話におけるビジネスマナーがよく語られました。ベルが鳴ったら2回で出る、受話器をとったらまず名乗る、など事細かにマニュアル化されていました。しかし今ではビジネスシーンにおいても、電話よりメールのほうが使われています。押し付けがましく相手を呼び出す電話よりも、相手の都合を重視するメールのほうが好まれるからです。しかし、ことマナーに関しては電話のマナーほどメールにおけるマナーは成熟していないように思えます。もちろん電話のマナーと同じようにメールにもマナーが存在します。
私はとある会社でメールによるカスタマーサポート業務に触れていますが、以前にもまして返信スピードが求められています。まず24時間以内に返事をしないと必ず催促が来て、ひどい時にはその返事が遅いことがクレームになることがあります。なかにはせっかちな人がいて、メールを出して30分も経たないのに追いかけるように電話をかけてくる人もいます。つまり世の人々はすでに「メールの返事はすぐに来る」と思っているということです。この暗黙の期待を裏切らないようにするのがメール社会での上手な処世術でしょう。
メールのよいところは距離の関係なく相手に連絡が取れるということです。電話ですと距離に比例して電話代もかさみました。しかしメールでしたらそんなことはありません。世界中にネットワークを張り、それを武器に戦える時代になったのです。しかし距離感がなくなっても、相手との信頼感は変わらずキープする必要があります。
そのために、とある経営者が薦めているのは、メールにおける30分ルールです。これは「メールが届いたら、必ずその場で読み、30分以内に返事をする」というもの。一見簡単なようですが、これがなかなか実践できないとのこと。しかしこのルールを守れば鉄壁の信頼ネットワークができるとのこと、そしてこれを武器にどこにいても迅速に仕事ができるというわけです。
あなたの場合を想定してみてください。重要なメールが届いても目印の「重要フラグ」を立てることはしても、とりあえず全部メールをチェックしてそれから優先順に返事をしていると思います。そうこうしているうちに、なかには返事をするのを忘れたり、1?2日もほっといてしまうなんてことがあるのではないでしょうか?
ビジネスシーンにおいて1?2日も連絡をしなかったら、競争に勝てるはずがありません。もっとも「内容を調査してから」とか「上司の判断を仰ぐ」ため即答できないこともあるでしょう。その場合は、即答できない旨のメールを30分以内にすればいいのです。
ぜひとも、メールはその場で読み、その場で返事をする習慣を付けてみてください。目指せ「30分以内の返信率100%」。あなたに対する評価が激変するはずです。