[323]一本締めと一丁締め
宴席では最後に「締め」を行います。「それでは皆さん、お手を拝借」といって手拍子を打つアレです。事が無事決着したことを祝って行う揃いの拍手で、これを手締めといいますが、多少種類があるのでよくわからず混乱することもあります。
「よーおっ」
「ポポポン、ポポポン、ポポポンポン」
と、三・三・四の手拍子を打つのが「一本締め」です。
この一本締めを3回行うのが「三本締め」。
「よーおっ」
「ポポポン、ポポポン、ポポポンポン」
「ポポポン、ポポポン、ポポポンポン」
「ポポポン、ポポポン、ポポポンポン」
「三本締め」は多少冗長な感じがするため、最近では一本締めが多く使われます。ところがこれが問題。
一本締めのつもりで手拍子を打とうとしたら、「ポン」の一回で終わってしまって慌てることがあります。
「よーおっ」
「ポン」
これは一本締めではなく「一丁締め」もしくは「関東一本締め」といいます。
関東で一本締めというと
「ポン」
関西で一本締めというと
「ポポポン、ポポポン、ポポポンポン」
これは混乱してしまいます。そこで、司会の方もしくは音頭をとる人は、一本締めの場合、
「それでは皆さんお手を拝借。サン・サン・ヨンの手拍子の一本締めでお願いします」
あるいは
「それでは皆さんお手を拝借。一回ポンの一丁締めでお願いします」
というとわかりやすいと思います。しかし説明してもさらに混乱して、三三四ではなく応援のときに使う三三七拍子を打ってしまう人もいるかもしれません。
「ポポポン、ポポポン、ポポポポポポポン」
まぁ、結婚式の披露宴などは新郎新婦に向けての応援ということで、それもいいかもしれませんが。
ちなみに、手締めの音頭取りは主催者側が行います。来賓のかたに音頭取りをお願いしてはいけません。
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