[091]座布団
今日は座布団についてのハナシです。
普段何気なく使っている座布団ですが、座布団にはじつは裏表があります。知ってましたか?
座布団には中央に中綿がずれないようしめ糸で綴じていますが、そのふさのついているほうが表です。座布団カバーが使われているときはわざわざ中を確かめることはしませんが、その場合は座布団を真上から見てチャックについている縫い代がかぶさっているほうが「表」です。
中央のしめ糸は、関東では×形、関西では人形になっていますが、人形の場合は人の字の上のほうが「前」を指します。
また、座布団には前後があります。「前」とは座布団の4辺のうち、縫い合わせのない辺をいいます。座布団カバーが使われている場合はチャックのついていないほうを「前」として使います。
座布団はよく見ると正方形ではなく長方形になっています。使用される場面で使われ方が違いますが、現在では55x59cmが多いようです。また、座布団の数え方は関東と関西で違います。関東では「枚」、関西では「畳(じょう)」と数えます。
茶席判 43×47cm
木綿判 50×54cm(JISS判)
銘仙判 55×59cm(JISM判)
八端判 59×63cm(JISL判)
夫婦判 67×72cm(ドンス判)
座布団に座るときは、座布団が敷いてある位置より下座側から座ります。後ろからとは限りません。また、座布団から降りるときは、座布団より下座側に降ります。宴席などで座布団が敷きつめられている場合は座布団の下座側からではなく後方から膝行して座るのが礼儀です。
座布団は部屋の中で客の座る位置を決めているものです。したがって来客がある場合は必ず前もって座布団を敷いておきます。上座下座を間違えないようにしましょう。座布団を敷くときは座布団の表裏、前後に充分注意しましょう。
逆に客として訪問した場合は、座布団を勝手に動かしては失礼にあたります。また、座布団を引きよせたり、裏返したりするのもやめましょう。座布団に座るときは、主人(ホスト)勧められてからにします。軽く会釈して座りましょう。座布団に座ったまま挨拶はしません。
なお、座布団を持ち運びする時は、厚い座布団の場合はそのままの状態で、右手で座布団の中央を支え、左手で座布団の端を持ちます。うすい座布団の場合は、二つ折りにして右手で二つ折りにした座布団の中央を支え、左手で座布団の端を持つようにします。
座布団一つとってもに作法があるんですね。