[064]披露宴の招待客

披露宴というのは、式を終えた新郎新婦を知人友人に新たな旅立ちを決意した二人を披露し、また祝福する場であります。主役は新郎新婦と思われがちですが、新郎新婦は来賓をもてなすホストです。つまり主役は来賓です。新郎新婦はもとより両親、仲人、親族もすべて来賓をもてなすホストです。司会者はそのあたり理解していないと変な司会をしてしまいがちです。

例えば、お色直し。これは新郎新婦が中座するわけですから来賓に対しては本来失礼にあたる行為です。したがって司会者は「申し訳ありませんがただいまより新郎新婦は席を立たせていただきます」とお詫びしなければなりません。ところが「拍手を持って見送ってください」とすることがあり、これはいただけません。

司会者といえば一番気を使ってほしいのが敬語です。恩師や医師を呼ぶ場合は「先生」とし、そのほかは「様」で大体大丈夫です。会社関係では社長様や会長様がたくさん来るわけですが、この場合「●○株式会社代表取締役社長の○○様」とします。「○○社長様」はおかしいですね。

次は妊婦。昔は妊婦は「二つ身」といって結婚式への出席はタブーでした。二つ身とは母体と胎児をいい「二つは割れる」からという意味や、出産後は「別れて一人になる」ということで忌まれていたわけです。しかし現代では妊娠むしろおめでたい象徴ですからそれほど気にすることも無いと思います。しかし、列席者の中にはそういうことを嫌う人もいるかもしれませんし、披露宴に出席する労力も馬鹿になりませんから、列席は遠慮したほうがいいかもしれません。

スピーチを頼まれたら前もって話すことを練るわけですが、あまり内輪のネタにならないようにします。かといって一般的な祝辞では面白くないですし、先に同じようなネタを使われてしまうこともあります。暴露的プライバシーに触れたり下品や揶揄にならないように気をつけながらおしゃれに決めたいものです。自分の立場で素直に誉めれば自然なスピーチになるでしょう。友達とはいえ披露宴では友達言葉は避け、更に女性は花婿を誉めない、逆に男性は花嫁を誉めるのが礼儀です。

スピーチが苦手な人は、歌を歌ったり、楽器をひいたりするのも場に変化を与えていいものです。グループで歌を歌う時は歌詞を間違えないように前もって歌詞カードを用意しましょう。練習してる暇は無いと思いますので。結婚披露宴に使われる歌は定番が決まっていますので、これも2つ3つ用意しておいて先に使われても大丈夫なようにしておきます。なお、歌を歌う場合は選曲に気を使うのはもちろんですが、延々と歌わないように。せいぜい歌っても2番までにしておきます。