[177]タルムード
今週は前々号の鈴木正之助さんのコラムにあった「タルムード」について少しお話をしたいと思います。
タルムードとはユダヤ人が残し、今も編纂が加えられている生きた律法。つまり知恵袋的集大成でその歴史は5000年にも遡るといいます。ユダヤの教典とよく言われていますがそうではなく生きるためのマニュアル、それも口伝えによってその時代を生き抜くために常に変更を重ねてきた「生きるための大事典」と言うことができます。
ユダヤ人は長い間迫害を受けて生きてきました。そのためタルムードの内容には過激なものも多いです。キリスト教の国では何度も発禁本となった事実がそれを物語っています。しかし生きるための知恵を学びそして教えるためのタルムードは現代甘ちゃん日本人にも参考になる部分が多いと思います。
【多数決について】
日本でも世界でも物事を決めるときには多数決によっています。日本の政治は多数決で自民党が政権を握り、それを覆すため自由党と民主党が結束をして政権を奪取するため「多数」になろうとしています。つまり現代社会では「多数は強い」のです。
しかし学校の社会の時間では「多数決」を良しとしながらも「少数意見」を大事にすることを教えています。これはタルムードでも解いていることです。
この世は自然の原理が働いていて、その原理で人間社会も動いています。自然界を見ると、少数派ともいえる無駄なものが多いように見えますが、しかしよく吟味すると無駄に思えるものが実はとても大事な意味をもっていたりするのです。
たとえば微生物。この見えない働き者たちは、人間の食べ物や排泄物の処理を文句も言わずにいとも簡単に引き受けてくれています。地中に住む虫やバクテリアも同じです。彼らがいなかったらこの地球はいとも簡単に崩壊してしまうでしょう。
身体に悪いといわれる紫外線。しかし紫外線があるから地球表面は「殺菌」されているのです。逆に身体に良いとされるお酒も適度に摂っての話。飲みすぎればあなたもご存知の悲惨の状況に・・。
【健康増進法について】
「百害あって一利なし」とは最近「タバコ」に向けられる言葉です。しかし自然の摂理を考えると「百害あって一利なし」ということはこの世にはありえません。「一寸の虫にも五分の魂」といいます。どんな虫けらにも「一利」はあるように、この世のすべてのものにはその存在する理由があるのが自然です。むしろ怖いのは、そういった「一利」を認識せず、不要なものとして力づくで封じ込めてしまおうとする動きです。
「タバコ」が「悪」であるならば、なぜその「悪いタバコ」が長い歴史をもって人間に愛されてきたのか?その背景をじっくり考える必要があります。最近自動車の車窓から火のついたタバコを投げ捨てる光景がじつに多い。しかも助手席からの投げ捨てが多いんですね。
なぜこういった光景が増えたのか?それは最近のクルマには灰皿が無いからなのです。クルマのオーナーは喫煙しないのでしょう。しかし乗り合わせたパッセンジャーは喫煙をする。タバコに火をつけたものの、灰を捨てるところがない。吸殻を捨てるところが無い。仕方が無いので窓からポイ・・
皆さんも何か問題に当たったときはそれを封じ込めるのではなく、なぜそういった問題が存在するのをよく考え、慎重に対処していただきたいと思います。
「自分のことだけ考えている人間は自分である資格すらない」
「ものごとは度をすぎてはいけない」
※タルムードより
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