[151]フォーク並び
最近では「行列のできる店」と称し、テレビなどでは毎日のように特集番組が組まれています。行列ができるのは繁盛している証拠ですから大いに結構。しかし、行列しているのに割り込むのはいただけません。並ぶほうとしてはやむを得ず並んでいるわけですから、割り込んだ瞬間に割り込まれたほうは怒り爆発します。刃傷沙汰になっても知りませんよ。世の中不安定になっている分、庶民の心も荒んできていますから。
スーパーなどでは、レジが十数台も並んでいても混雑時はどこにしようかと迷うときがあります。一番空いていそうなレジを選ぶのですが、そんなときに限って、前の人がお金を出すのにもたついていたり、たまたま値札の貼っていない商品があってレジの人が確認に売り場に駆けていったりして、どうも並ぶのが下手な私です。
そういう不都合を解消するのが「フォーク並び」です。これは銀行のATMや緑の窓口などでかなり前から見られる並び方で、銀行でいえば数台並んでいるATMの前にはロープが張られ、列は一列で、ATMがあけば順番に繰り出す方式です。ちょうどその形状がフォークのようなので「フォーク並び」といいます。
銀行のATMだけでなく、駅のトイレや、混雑する窓口など、主催者側が意図しなくても客のほうが自発的にフォーク並びをするようになってきたようです。この並び方のほうが合理的だからでしょう。
とはいえまだまだ大型店舗などはフォーク並びを採用していないところも多いですが、着実に増えていく傾向です。ちなみにアメリカでは大型店でもフォーク並びを実践しているところが多いです。カートを押しながらフォーク並びをするのはそれなりにスペースをとりますが、うまく流れていくさまは見ていても気持ちがいいです。
ところで、フォーク並びをしていても、傍若無人に割り込む人はいます。そういう場合はフォーク並びをしていなかったころよりも、抗議されることが多いように感じるのは私だけでしょうか。合理的に不公平にならないようにフォーク並びをしているのだから、その意図に反する行為は我慢ならないのでしょうね。