[079]バイキング

巷ではバイキングが人気です。テレビなどでも食べ放題、飲み放題特集している番組がやたら多い。特に有名店のランチバイキング、デザートバイキング、ケーキバイキングなど、普段良いものを時間を決めて特別に提供するバイキングに人気があります。

バイキングとは8世紀から11世紀頃にかけて、ヨーロッパ各地を荒し侵略したスカンジナビアに住んでいたノルマン人の海賊のことです。この海賊と言われる人々は丸ごと焼いた肉やその他の料理を自分の分だけひきちぎって食べる食習慣から、このような形式の料理をバイキング料理と呼んでいます。

現在では和洋中、数種類の料理きれいに皿に盛り、テーブルの上に並べて、各自の好みにより、食べ放題に選択する方式を「バイキング」といって定着してきました。もっとも「バイキング」は日本での造語的意味合いが強く、海外ではビュフェ方式と呼ぶことが多いようです。(アメリカではバフェ、フランスではブフェと発音しないと通じない)

ファミレスでも、ドリンクバーやサラダバーは一定の料金で飲み放題、サラダ食べ放題ということで人気ですが、どうもこの「~放題」という意味がマナー違反を引き起こすようです。「食べ放題なんだから元を取らなきゃ損々」じつは私なんかもそういう意気込みでバイキング店に行ったりします。

こういう意識が、まず「値段の高いものをたくさんとる」、「美味しいものだけをたくさんとる」こういう行動を引き起こします。これは「自分の食べる分だけをを取り分ける」という「バイキング」の趣旨に反します。「バイキング」とは元々は食べ放題という意味ではないのです。

もちろん好きなものを自由に取ってかまわないのですが、作った人の心意気や、提供者の意思を汲み取るなら、満遍なくいろいろなものを食べられるだけとるというのが本筋でしょう。

そういう意味では、最近学校で行なわれている、バイキング給食には賛成です。このバイキング給食には賛成意見反対意見が多くあります。反対意見は栄養の面、好き嫌いを増長させるというものです。

ですがまず第一に考えて欲しいのは、バイキング給食にすればマンネリしやすい給食が楽しくなるという点。これは、なかなか見逃せないことだと思うのです。学校でとる給食は生活面でも大きな位置を占めます。この場で与えられたものを何も考えずに食べるというのは教育上まことにもったいない。バイキングはその点食が何であるかを考えるいい機会であるといえます。

もちろんここでは「好きなものをたらふく食う」ではなく、全体の人数分を考え、自分の食べられる分だけを取る、という思考が要求されますし、それを教える場であって欲しいと思います。

さて、世間一般のバイキングですが、マナーの第一は取ってきた食べ物は残さないこと。料理を取りに行くときには毎回新しい食器を使うこと、などがあげられます。また最近ヒンシュクを買うのは、仲間で食べる分を一度に取ってきて、テーブルでそれらを突っつきながら食べること。これも、楽しみの一つではありますが「食い散らかす」印象は免れません。やはり、自分の分は自分でとるという大原則は守りたいものです。

あと、サイゼリヤでメロンソーダとオレンジジュースとコーラとアイスティーを混ぜて楽しんでいる人。裏で従業員になんていわれているか知ってますか?やめましょうね。