第83回 ヘルパーまでの道のり(8)前編

2019年3月16日

こんにちわ、永礼盟です。ご購読ありがとうございます。ヘルパー2級を取得するまでの日記、ヘルパーまでの道のりに、お付き合い下さい。

スクーリングが終了し、いよいよ現場に触れる実習を体験する事になる。いつかは、現場の勉強をしなくてはならないと緊張と新鮮な気持ちでスクーリングを受けていたが、いざその空気に触れるとなると胃が締め付けられるような緊張感が生まれた。

朝、集合場所に集まると、予想以上の人数が集まっていた。きっと、自分ののクラスもこんな和気藹々な雰囲気だったと思われる。それぞれの会社なり、学校なりから実習を受けに来ているようだった。自分のように、施設介護の勉強に来てる者。デイケアサービスの勉強に来てる者。なんと、教職で来てる人たちも居た。圧倒的に少ない男性は、宿直室で着替えをさせて貰った。

担当フロアは、4Fになった。他の階に振り分けられた人は三名ずつだったが、4階は私一人だけだった。不安な気持ちもあったが、1人の方が動きやすいこともあり、割り切った。

朝の申し送りをしたのが8:50くらいだった。いざ9:00になると、一斉にオムツ交換が始まる。まず、つかせて頂いた担当の方に、オムツ交換をするかどうかの確認をされた。我々実習生には、オムツ交換の義務はないらしい。勿論、自分は志願しました。介護の神髄を経験できるのに、経験しない手はなかろうと、一緒に担当の人と回ったのだった。

そこのフロアは、女性が多かった。私は、直接手を出せないので、体位交換のお手伝いをさせてもらった。学校で習ったように、横を向いてる間は、肌に密着させ、安心感を持たせた。担当の人には、「そんなことをしても、解らないわよ。」そう言われ、悲しくなったが、そのポリシーは続けた。やはり、痴呆が進むと、そう言う事が解らなくなるかと悲しくなったのだ。しかし、声かけと、スキンシップは頑張って続けた。担当の人は、手際よくオムツを交換していった。その人達の体位交換をして思ったことが、人間ここまで軽くなるのかと、やせ細った体をみて心が痛んだ。「自分は今、介護の現場にいる!!」なんだか、熱い気持ちがこみ上げてきて、優しい気持ちになった。

オムツ交換を終えると、入浴介助が待っていた。ビデオでしか見たことがなかった、機械浴の装置も見せて貰った。しかし、今日は機械浴はなかったらしく、全ての人が、湯船に浸かっての介助だったようだ。そのお風呂を見て、私の行く施設とは違い、銭湯のような広さに感動した。しかも、バスクリンまで入っている。レモンの香りが、なんとも心地よかった。施設に行ったら、バスクリンを提案してみようかなと思うくらいいい感じだった。

そこで私がさせて貰った仕事は、ドライヤーでの髪の毛の乾燥だった。だいたいの方が嫌がるみたいで、2人同時に出てこられた時はどうしようかと思った。でも自分1人しか居ないし、ドライヤーは一個しかない。もうこれは1人づつやるしかないと思い、まず一人目の女性の頭を乾かした。その間に、部屋に帰ってしまう方がいらっしゃたのだが、1人の人に集中した。かなり和気藹々なお喋りをし、乾かし終わると、さっき髪の毛を濡らしたまま帰った方が、10メートル先くらいに見えるので説得しに行った。やはり拒否されたが、上手いこと言って連れてきた。その時の、上手い一言が思い出せないのが、自分でも悔しい。施設職員の方も、その一言で吹き出していたので、かなりの一言だったと思う。そんな調子であっという間に、昼食の時間になった。

長い文章になってしまったので、続きは来週にさせて下さい。

2004.11.26

永礼盟