第31回 ヘルパーまでの道のり(3)

2018年8月30日

こんにちわ、永礼盟です。ご購読有り難うございます。

自分がヘルパー講習に通い、その時の気持ちを綴った日記から抜粋しております、ヘルパーまでの道のり。数週間お休みを頂くので、その頃の日記を少し編集して書いて行きたいと思います。宜しければお付き合い下さい。

今日も、かなり充実した一日だったが、今、日記を書くことも辛い。よく書く気になったと、自分を誉めてあげたいくらいだ。それぐらい調子が悪い。今日も、書きたいことがいっぱいあったのに。でも、書いちゃおう。

まず、先生。今日は、自分好みの先生だった。特に、インパクトはないと思うけど、家庭的で、何処か癒し系の、現役看護婦だそうだ。自分が、よかったと思ったのは、ビルのチャイムが鳴って、「は~い」と、元気よく扉を開けたのだが、オートロックのビルで、部屋の前まで来客があることはなく、何の疑いもなく、元気よく扉を開けた先生の素朴さに、キュンッとなってしまった。よく見ると、可愛い感じだ。でも、子供がいるらしい。

あと良かったところは、たまに、悪い言葉を使っていたところだ。「お年寄りが不安になるかもしんないんで。」この、「しんない」って言葉が、時代が重なっていると思われ、共感できた。

授業の方は、ベッドから車イスに乗せる動作と、目隠しをして、誘導して貰うと、どれくらい怖いかの実習だった。

片麻痺の人をベッドから車椅子に移動してもらうときの動作。先ず、寝ている人に起きあがってもらい、端座位をとる所から始まる。身体を動かすときのポイントとして、声かけが大事になってくる。事前に動作を知らせる事で安心感を得るのだそうだ。そして、具合を尋ねながら行うことを言い渡された。

その声かけ所ではない。いざ自分がヘルパー役になって、動作を行っていこうとすると、頭が真っ白になってしまうのだ。「何するんだっけ...?」心の中で思い、行動が止まってしまう。仰臥位(仰向け)の状態から右側臥位にしてボディメカニクスを利用して端座位まで持っていく。声かけは、何処かに飛んでしまう。

「中島さん。車椅子に移動しますね。」そう声かけしてから、しばらく行動が止まる。考えながら行うので、具合を尋ねながら行うことが出来ない。やっと端座位をとって貰い、車椅子を足下まで持ってくる。車椅子の注意点を考えながら、「建側が左だから、車椅子はどっちだ?」と頭で行動してしまう。車椅子を確認し、自分の肩を持ってもらい、自分の足を利用者の足の間に入れる。どうしても、右足を入れてしまうのだ。左に移動するのに、右足を入れて左に移動させてしまう。右利きの自分は、右を軸にしたい癖があることを実感した。

車椅子に移動してもらい、「それじゃ、散歩に出掛けますね。」等のアドリブの声かけをしたところで、自分のロールプレイは終わった。そこで、可愛らしい先生に「靴は履かせてね。」と突っ込まれた。ヘルパーまで、道のりは険しそうである。

詳しく書きたいが、体調が優れないので、止めとく。ほんで、クラスの雰囲気がとても和やかになってきた事、実技スクーリングが、楽しいこと、それが、今日の日記のテーマだ。

施設で働いている今、足を考える事もなく、体が動いています。毎日の介護で、体が動作を覚えたのだと思います。この時、身体を動かす効果として、寝たきりでいると筋肉の関節が次第に拘縮し、気力低下、動く事への不安、寝たきりと言う危険性があると学びました。体の向きが変わることで、床ずれと拘縮の予防になり、この日に習った車椅子への移乗は、移動することの喜びと気分転換が図られ、寝たきりの予防になると教わったのでした。

「移動する喜び」毎日の当たり前の動作が、その人の喜びや気分転換になる。何か自分に迷いが生まれたら、必ずこの原点に帰ろうと思う。

そんな、ヘルパー講習を振り返ったヘルパーまでの道のり。最後までお付き合い下さいまして、有り難うござました。

2003.10.05

永礼盟