第51回 風邪と夜勤

2018年8月31日

こんにちわ、永礼盟です。ご購読ありがとうございます。五月のような陽気だったり、突然雪が降ったり、体調管理が難しいですね。そろそろスギ花粉も飛び始め、しばらく憂鬱な日々が続く方も多いのではないでしょうか?

入居者の方の体調管理も大変です。発熱や、気分の不快の訴えが多くなっていますので、拗らせないように気をつけたい物です。

そんな中、夜勤業務に入りました。誰と誰に熱があるので、水分補給とクーリングで様子観察と指示が出されました。夜間、高い熱が続くようなら救急対応もあり得ます。こういう時の夜勤は、少し心重たく感じます。

実際にケアをしだすと、感じた重圧と違う感情が生まれます。『介護』と言う世界で、その業務を行う原点に帰れるような、そんな使命感みたいな気持ちが生まれるのです。数時間おきに検温し、バイタルチェック、血中濃度酸素を計り、水分補給を行う。熱が下がらなければ、経過との戦いです。

薬を飲んでもらい、その症状を観察。もしも、様子が変わらなければ看護士の指示で熱冷ましの投薬があります。水分補給と、クーリングでさらに時間との戦いです。クーリングも、頭、脇の下、足の付け根と三点で行います。熱が下がり、バイタルやサーチュレーションの数値が落ち着けば一安心ですが、万が一高熱が続いたり、バイタルの数値が以上だった場合は救急対応をとります。

その、経過を見つめる事に介護の充実さがあるように感じます。いつも、思い上がりの考えで申し訳ありません。その方を見つめ、経過を観察し、対応する。事細かく記録する。

その状態を申し受けた時には、表現しようのない重たい重圧が心を支配しますが、いざケアを行いだすと、大変だけども、その向こう側にある物を少しだけ感じる事が出来ます。

以前、経験不足から間違ったケアをしていた事がありました。水分補給についてです。

夜中、高熱で苦しそうに横になっている方を起こすことが出来なかったのです。体を起こさなければ、十分な水分がとれません。自分は、その方の体を起こし上げる事を躊躇してしまった事がありました。先輩から、それは絶対にNGである事を習いました。体を起こす事を可愛そうと思うのと、脱水症状でさらに苦しみを与えてしまうのと、どっちが正解か?と。

そのような教えから、今回のような夜勤時の対応が出来るようになっています。もう一つ勉強になった事は、なかなか水分をとってくれない方の対応です。

今までは、無理矢理にでもとってもらっていた水分ですが、スポーツドリンクでゼリーを作ると、これが不思議なくらい飲んでくださるのです。まるで魔法にかかったように。

今回の夜勤では、高熱が続く事もなく、それ以上症状が悪化する事がなかったので一安心でした。だんだんと平熱になり、声かけに反応が出てくると、こんなに嬉しい事はありません。

大変でありますが、こうして入居者の方が元気になられる時、今の職業が誇らしく思えるのでした。

2004.03.16

永礼盟