美食、マスタード、パン・デピス、ワインとディジョンを形容する言葉はガイド本の中にいろいろ陳列されますが、最近この町が狙っているのは「サロン・ド・テ(お茶専門店)」でのイメージアップなのかもしれないと思うほどお洒落で本格的なお茶屋さんが増えつつある。
サロン・ド・テで有名なのはフランス東部のメッスらしいけど、ディジョンもメッスに追いつけ追い越せなのかしら?ディジョンは南仏のように夏が長くないからあちらのような広場にカフェの海は似合わない。大公宮殿跡の前のリベラシオン広場には数件のカフェがテラスを作っていてちょっと南仏っぽいけど。
カフェはテラスのものと親父の溜まり場みたいなものと2種類あります。前者はお洒落で後者は人間臭いのが良い。一杯1ユーロ前後のコーヒー一杯で数時間もだべれるというのが日本と違って心地いい。しかしアンコウの口を持つ私にヤクルト一瓶位の量しかないコーヒーでは1時間も持たない。また夏の暑い日には必ずまずペリエで喉を潤してからコーヒーを飲むので料金的にもコーヒー3杯くらい飲んだようなもの。
香港に住んでいた頃、広東料理が苦手でちょっとつまらない生活に潤いを持たしてくれたのは茶屋、香港のサロン・ド・テ。息抜きにお茶屋さんへ行くのが週末の楽しみでした。いわゆる喫茶店のようなお茶屋でもきちんとしたお茶の作法で入れてくれてその香り、そして味を楽しめた。お茶を注ぐための茶碗の種類、温度、香り、色、味わい方、それは今日私がワインを楽しむのとほぼ同じ方法。ワインの試飲の講義を受けるときお茶のそれを思い出す。
ディジョンには香港のサロン・ド・テのごとくきちんとした作法でお茶を入れてくれる店はまだありませんが、お茶の楽しみ方初心者向けには十分な種類がある店が最近多くなりました。それまではお茶と言っても高級ティーバッグか良くても英国紅茶が数種類あるくらいでした。でも最近ディジョンにきのこのごとく生え出したサロン・ド・テのいくつかは世界各国のお茶が飲めます。ワインを楽しむようにお茶を楽しむ、これそこグルメかな。
私のお気に入りサロン・ド・テをご紹介。ディジョンに着たら寄ってみてください。お茶文化はイギリス、中国の専売特許ではありません。フランスにも浸透しているわよ。
La Causerie des Mondes : 16 rue Vauban
ミントティーの香りがすばらしい
Alice : 2 rue Monge
お茶と一緒に私の好物スコーンもどうぞ
Maison Milliere : 10 rue de la Chouette
日曜日も開店、軽食も出来ます。
夢路とみこ