[079]年休あれこれ(9)基準日の統一
【基準日の統一】
年次有給休暇(以下年休)は通常勤務してから半年後に10日付与されます。
ところが、入社日というのは人それぞれですから、社員が少ない会社の場合はともかく、大勢になったらとても管理しきれるものではありません。そこで、会社としては、年休を算定する上で統一した基準日を設けるが普通です。
新入社員の場合、基準日を設ければ基準日から算定して6ヶ月未満の人もいれば6ヶ月以上の人もいるでしょう。ちょうど6ヶ月という人もいるかもしれません。
このように基準日を設けた場合は、さまざまな条件の人がいるわけですが、いずれも不利になるようにしてはいけないという事があります。つまり勤務期間の切捨てはもちろんのこと四捨五入も認められません。常に切り上げによって対応しなければならない、ということです。
極端な話、例えば基準日を3月1日とした場合、2月28日に入社した場合は翌日3月1日までは勤務日1日ですが、この場合も6ヶ月勤務したとみなして、10日の年休を付与しなければなりません。
基準日を統一した場合、その後の出勤率の算定は、全員について統一基準日から向こう1年間で計算します。
一旦決めた基準日を変更する場合も、常に労働者に不利益にならない方法を採らなければなりません。例えば3月1日の起算日を単にその年の4月30日に変更することは年休の付与をいたずらに遅らせることになり、違法行為となります。(つまり早めることしか認められないということです)