[210]読者Q&A『年次有給休暇を消化して退職』

■読者からの質問

ホームページ拝見させていただきました。
退職を考えておりまして、とてもためになりました。そこで質問なのですが、私は1月に有給更新され、新たに有給が付与されます。もともと残っている有給とあわせて17日あります。1月5日の金曜日から出勤日なのですが17日消化して1月30日退職というのは可能なのでしょうか??
つまり、12月いっぱいまでしか出勤しないのに1月の有給付与分も消化したいということです。よろしくお願いいたします。

■たまごやの回答

お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。
行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。

この時期ボーナスをもらってから退職したいという人は多いと思います。また、通常ではなかなか年次有給休暇(以下、年休)を消化できない社員も、退職の時くらいは年休を消化して退職したいと考えるでしょう。

退職日を年休の残数に合わせて決めるということは、世間ではよく行われていると思います。普段冷たい会社も、辞める人間に対してなんと温情なこと、と思われますが、これにはわけがあります。

年休は通常では買い上げは禁止されています。しかし、退職の時には時季変更権が実質行使不可能なため、買い上げる意味を含め、年休を消化して退職させるようにするのです。年休を消化させないまま退職に追い込んでも、買い上げを要求したら、買い上げるしかない。それならば、籍を置いたまま退職させるほうが円満、という理由です。

お尋ねの場合も、これに該当し、1月30日を退職日とし、それまで週5日を年休残17日を充てて全く出勤しなくてもすむようにすることが可能です。

ただし、会社に理解があれば、の話になります。

会社の事業主および労務担当者が労働基準法をどれだけ理解しているかわかりませんが、もしこういった前例が無い場合は、12月に年休消化+退職という要求をすると、1月に一斉付与される年休を付与されなくなる可能性があります。理由は感情的なものであり、全く理屈になっていないのですが、ありえる話です。

こうなると、紛争になってしまい解決するのに相当疲れることになります。会社も辞める人間となれば、容赦なく対抗してくるでしょう。退職する側もそれほど付き合ってもいられないですから、めんどくさくなってそのままにしてしまうことも多いと思います。

年休付与の時期を考えると、退職日は1月30日ではなく、1ヶ月遅らせて2月末にすると良いと思います。そうすれば、退職届けを出す時点で、すでに年休が付与されているのですから問題になりません。