[086]年休あれこれ(16)パートさんの年休

【パートさんの年休】

年次有給休暇(以下、年休)は労働者が自由に時季を指定して休みをとることができる制度です。これは、アルバイトやパートタイマーであっても、6ヵ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤していれば、その所定労働日数に応じた日数の年休の付与が必要となっています。

本来ならば、雇用形態によって年休の付与が変わるということはありません。正社員であってもパートタイマーであってもアルバイトでも条件は同じです。

しかし、1週間の労働時間や所定労働日が著しく少ないパ-トタイマ-やアルバイトに、そのまま適用することは、通常の従業員との均衡上、必ずしも合理的ではないことがあります。

そこで、労働基準法では、パ-トタイマーやアルバイトについて、その所定労働日に比例した日数の年次有給休暇を付与することとしています。(比例付与)

比例付与に該当するパートタイマー・アルバイトは以下のとおりです。(施行規則第24条の3第4項)
1週の所定労働時間が30時間未満の従業員であって、かつ、週によって所定労働日数が定められている従業員については1週間の所定労働日数が4日以下の者。
1週の所定労働時間が30時間未満の従業員であって、かつ、週によって所定労働日数が定められていない労働者については、年間所定労働日数が216日以下の者。
比例付与は所定労働時間が30時間以上であれば対象とはなりません。正規の年休を付与する必要があります。また、週の労働日数が5日以上であれば正規年休が無条件に適用されます。

<例1>1日の勤務時間が3時間だが、毎日勤務する者

週労働日数が5日以上なので、比例付与適用は適用されず、正規の年休を付与します。初年度年休は10日。

<例2>1日の勤務時間が6時間で、週4日勤務する者

比例付与適用で初年度年休は7日。

<例3>1日の勤務時間が8時間で、週4日勤務する者

週労働時間が30時間以上なので、比例付与適用されず、正規の年休を付与します。初年度年休は10日。

<例4>月の前半は休み、後半にだけ10日間勤務する者

年間216日以下の場合にあたり、比例付与表の「1年間の所定労働日数欄の区分」に応じて付与日数が決まります。この場合初年度年休は3日。

比例付与一覧表