[113]失業保険の給付基準

失業者があふれています。小泉さんの雇用政策は大丈夫なんでしょうかねぇ。ま、失業したら退職金と失業保険をもらっていっそ起業しましょう。定年退職したってそれからの人生があるわけですから、再スタートは早いほどいい。

さて、会社を辞めた後は失業保険がもらえます。失業保険は正式には「雇用保険の基本手当」といいます。その基本手当の支給基準が2001年4月1日から変わっています。

雇用保険の基本手当は、退職前の賃金、退職の理由、在職期間、そして退職したときの年齢のよって支給金額が決まります。改正の大きなポイントは、会社を辞める理由によって支給される基本手当の日数が変わることです。

◇失業給付日数の改正

従来は失業の給付日数は離職時の年齢により定められていましたが、今回の改正で離職理由により給付日数が異なることになります。

定年退職者や自己都合退職者は今まで最長で300日分の給付日数が、今回の改正により最長で180日分に大幅に減少します。

一方、倒産や解雇、いじめやセクハラ等により再就職の準備をする時間的余裕がなく離職を余儀なくされた人については、最長330日として有利に取り扱われます。

◇雇用保険料率の改正

財政の逼迫により保険料率が変更になりました。

◇教育訓練給付の引き上げ

教育訓練給付とは雇用保険の被保険者が資格取得などで専門学校等において勉強する際にその費用の一部を国が援助するものです。この教育訓練が終了したときにその費用の80%が支給されますが、この上限額20万円が30万円に引き上げられました。

◇育児・介護休業給付の引き上げ

育児休業基本給付金については20%が30%に、育児休業者職場復帰給付金について5%が10%に引き上げられます。

また介護休業給付は休業期間中、休業前の賃金の25%が40%に引き上げられて介護休業給付金として支給されます。

※雇用保険の基準は個人の状況によって異なります。詳しくは管轄のハローワークにお問合せください

[112]残業あれこれ(11)一昼夜交代勤務の場合

【一昼夜交代勤務の場合】

24時間勤務して24時間休むなどの一昼夜交替制勤務の場合にも、原則として、時間外労働、休日労働、深夜労働に対しては、それぞれ法定どおりの割増賃金を支払わなければなりません。

ただし一昼夜交替制勤務の場合でも、変形労働時間制を採用し、休憩時間を除く所定労働時間が変形期間を通じて週40時間以内となっている場合は、その変形制における所定労働時間を超えて労働することがない限り、時間外労働とはなりません。

しかしこの場合でも、深夜(午後10時~午前5時)の時間帯については、深夜労働として2割5分以上の割増賃金を支払わなければなりません。(睡眠時間は除く)

なお、監視又は断続的労働に従事する労働者で、使用者が所轄労働基準監督署長の許可を得ている場合は、労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用されませんので時間外労働割増賃金を支払う必要はありません。

『監視に従事する者』

原則として一定の部署にいて監視することを本来の業務とし、常態として身体又は精神的緊張の少ない者をいいます。

『断続的労働に従事する者』

休憩時間は少ないが手待時間が多い者をいいます。

常態としてほとんど労働の必要がない宿直または日直も、所轄労働基準監督署長の許可を得ていれば上記同様に扱われます。

[111]残業あれこれ(10)持ち帰り残業

持ち帰り残業とは、仕事を家に持ち帰り家で仕事をすることをいいます。昨今パソコンで仕事をすることが多く、ノートPCを持っていれば場所を問わず仕事ができるようになりました。

しかし、この持ち帰り残業は基本的に時間外労働とならないので注意が必要です。つまりタダ働きになる可能性が高い。なぜか?

労働基準法が適用になるのは労働契約上のものだけです。労働契約とは使用者により労働を管理監督されている状態をいいます。ですから家に持ち帰った場合は管理監督されていない状態になりますから、労働基準法が適用にならない。ということは労働基準法で定められている時間外手当も適用除外、というわけです。

そもそも、管理監督外となる持ち帰り残業を使用者が強制的に求めることはできません。また、労働者も持ち帰り残業をする義務もありません。

しかしながら、現実問題として納期を厳守しなければならないときなどは必然持ち帰り残業をしなければならない情況になることも大いにありえることです。この場合は、持ち帰り残業を行なった場合は労働時間を推測するか、あるいはその業務を遂行するにかかる平均時間を推測して、通常賃金と時間外手当は支払う必要はあるでしょう。

使用者が持ち帰り残業を禁止する旨を明示し、それにもかかわらず労働者が持ち帰り残業をした場合は、労働時間は計算されなくても文句は言えないということになります。

[110]残業あれこれ(9)時間外手当を支払わなくてよい場合

労働基準法第41条は

「この章(第4章:労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇)、第六章(年少者)及び第六章の二(女性)で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない」

と定め、

「別表第一第6号(林業を除く)又は第7号に掲げる事業に従事する者」

を適用除外対象事業としています。

ここで指定する業種「土地の耕作若しくは開墾の事業」「動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産、養蚕又は水産の事業」とはつまり農業や漁業のことをいっているわけです。これらの業務に従事する労働者については労働基準法の労働時間、休憩、休日の規定の適用が除外されます。

農業や漁業などは天候、気象等の自然的条件の影響を著しく受けることが予想されるため、通常の時間管理による賃金体制がそぐわないという理由からこのような措置になっています。

農業や漁業を主な業種とする会社の場合、事業所ごとに適用を吟味しますので事務所や事業所が別の場所にあったりした場合は、その事業所での職種が適用されるかどうかを吟味する必要があります。

その事業所が事務部門であった場合などは、農業や漁業を営む会社であってもその中で働く人は労働基準法が適用され、時間外手当を支払う必要があります。

また農業の施設内にある食堂や事務所で働いている人も適用除外になるのかというと、これは同じ事業所内とはいえ、別部門とみなされますのでこの場合も労働基準法が適用され、時間外手当を支払う必要があります。

[109]残業あれこれ(8)派遣社員の残業

【派遣社員の残業】

企業の多くが派遣社員を雇用するようになってきています。自社の社員に残業させる場合は労使協定・就業規則に定めがあれば可能ですが、派遣社員を雇用している場合は、そのままの状態では残業させることはできませんので注意を要します。

派遣社員は派遣元企業に雇用されている社員ですから、残業させる場合には派遣元企業において就業規則に時間外労働に関する定めがあり、かつ時間外労働に関する労使協定が締結されている必要があります。この要件を満たせば派遣社員にも残業を命じることができます。

派遣社員に適用される派遣元企業の就業規則等には通常「派遣先企業で求められたときには、時間外・休日労働をしなければならない」旨の定めがあります。

また当然ながら、派遣元企業の労働者の過半数を代表する者(または過半数労働組合)との間に「時間外・休日労働に関する協定(三六協定)」が締結されていることも必要です。

派遣先企業が、派遣社員に時間外・休日労働をさせることがある場合には、あらかじめ、派遣元企業の就業規則・三六協定の有無や時間外労働をさせられる延長時間について確認しておくことが必要です。