[92]使途秘匿金課税とは?
使途秘匿金課税とは企業の経理姿勢を問われるもので、本来ならば相手先を秘匿することはありえないという前提に立った罰金的課税です。その点からすれば、不可抗力的な使途がわからないとする使途不明金よりも厳しいものがあります。
使途秘匿金課税は支出に対する課税です。
たとえば100万円の正常な支出があった場合、通常ならばそれを所得から差し引いた額に対する課税となります。(損金算入)
これが損金として認められない場合は、所得から差し引くことができませんから、損金算入しないで所得に課税されますので、結果的に課税額が多くなります。(損金不算入)
ところが、使途秘匿金の場合は、損金算入、不算入ということではなく、その秘匿金額に対して課税されます。支出内容が反社会的であるためです。しかし税収という概念からすれば、これは本来の税金の姿ではなく、税金という名を借りた「罰金」であるといえるでしょう。
その課税額は40%(平成19年3月現在)。使途秘匿金の性格から、おそらく損金算入はできませんから、合算するとほぼ100%の課税となります。
使途秘匿金や使途不明金制度というのは、今まで横行していた「裏金」を撲滅するために、税当局が表に出させるために指導してきたのですが、企業とすれば、隠してきた「裏金」を表に出せば、世間の風当たりが強くなることもさることながら、その金額に罰金的な課税をされてはたまったものではありません。
使途秘匿や不明金というのは必要あってのことですから、おそらく企業としては、秘匿金や不明金とは別にまた裏金を作るのではないでしょうか。
[前回の記事:使途秘匿金と使途不明金]
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