tax[121]みなし役員

2013年6月6日

同族会社の親族を会社で働かせることがありますが、商法上の取締役でないからといって、これら親族の給与や賞与は損金処理できると安心はできません。商法上の役員でなくても実質的に経営に参加している場合は税務上の役員とみなされることがあります。これをみなし役員といいます。

商法等の規定による役員は取締役・監査役等ですが、これは役員として選任されたかどうかにより形式的に判定します。

加えて、実質的に経営に従事しているもの例えば相談役や顧問、同族会社の特別の使用人は税務上の「みなし役員」とされます。

みなし役員の要件は、

A.経営に従事していること
に加え
B.以下のいずれかの支配株主グループに属していることです。

1.持ち株割合の多い上位3グループで50%以上を所有する会社に属している
2.10%超の株主グループに属している
3.個人(配偶者等を含む)で5%超を所有している

節税上はなるべくみなし役員とされないようにしなければなりません。社長の妻や子供は株式を所有していなくても、Aの要件によりみなし役員とされてしまいます。

そこで、社長の妻や子供は使用人としての職務以外はさせないことを証明して、みなし役員から除外する作戦が必要です。経営意思に参加せず、通常の事務や書類整理などをしている実績を作り、調査された時に応えられるように準備しておけば、使用人としてその賞与は損金とすることができます。