tax[119]役員報酬(6)
《役員報酬を期首に遡って増額するには?》
役員の報酬はその年額を株主総会で決めて、毎月定額で支払う必要がありますが、業績が良い月などは役員報酬とて増額したい場合があります。そういう場合は臨時株主総会を開き決議することによって、事業年度の途中であっても役員報酬の増額が認められることは前回述べました。今日は期中ではなく期首に遡って増額する方法です。といっても事業年度全期間分を増額できる魔法を使うわけではありませんのでご了承を。
通常、会社の定時株主総会はその期の開始より2~3ヵ月後あたりに開かれることが多いです。つまり3月決算の会社の場合は6月に開催される株主総会において増額の決議をすれば、すでに経過している4月と5月の役員報酬の増額分を一括で支払ってもこれは役員報酬とみなされ、役員賞与とされることはありません。
このように、決算後の定時株主総会と、中間決算後の臨時株主総会で、ある程度、役員報酬の増額操作は公的に可能です。しかし、なるべくならば計画性を持って支給限度額を高めに設定しておき、適正な役員報酬を毎月変わることなく支給するのがベストであることは言うまでもありません。