[37]フォノ端子付きアンプ

2017年1月2日

最近BOSEより発売された「PLS-1410」という機種はCDプレーヤーとアンプを一体化したチューナ付きCDアンプ。このアンプ、フォノイコライザー(MM型)搭載のフォノ入力端子が装備されています。これによりアナログプレーヤーを直接接続することができます。アナログプレーヤーもレコードもあるけれど肝心の繋げられるアンプが無い、とお嘆きのかたに朗報ですね。

最近のオーディオ機器はそのほとんどが音声出力端子にプリアンプ介し、それぞれの機器接続を容易にしています。CDプレーヤーも、DVDもテレビもRCAコード(ピンピンコード)で何の考えも無く接続して、そのまま何の不自由も無く音楽を楽しむことができます。

しかし、フォノ端子というのはまったくの別物で、昔はアンプといえばこのフォノ端子の先のあるフォノアンプの性能にしのぎを削ったものです。しかもこのフォノアンプの出来次第で音は変わるし、アンプの価格も大幅に変わったものです。

フォノアンプの難しさは、出力の小さい信号をいかに増幅するかにあります。小さい信号ほど増幅は難しいですし、音は変わりやすいからです。そういう意味では最近のシステムコンポはフォノアンプが不要なのでコストダウンそして、音質も平均化されたとえいえるでしょう。

今回発売のアンプはMM型ピックアップに対応しているわけですが、ここでMM型ってなに?と思われる人もいるでしょう。アナログプレーヤーに付けるピックアップ部分の方式には大きく分けるとMM型とMC型があるんです。今回このアンプで使えるのはMM型。MC型はさらに出力が小さいので別途トランスが必要なわけです。

ピックアップの構造はコイルとマグネットどちらかを振動させることで電気信号を発生させるものです。コイルを動かすのがMC型。マグネットを動かすのがMM型です。動かす方は軽い方が忠実に信号を取り出すことができます。

磁石は軽量で強力な磁界を得ることが可能です。一方でコイルは巻き線を多くするほど強い信号を得ることができますが重くなってしまいます。ということで当時は安価に強い信号を得ることができるMM型が主流となったわけです。

MM型カートリッジ付きアナログプレーヤーをお持ちの方はこのBOSEの最新アンプを試されてはいかがでしょう。いずれにしてもこういった旧資源を活用しようとする動きは歓迎すべきことでしょう。

2004-10-02