[28]真空管など

2017年1月2日

最近、巷で耳にする音楽は懐かしいものばかり。それがナツメロがそのまま流れているのではなく、若いアーティストがカヴァーしているです。スタイリスティック、ディオンヌワーウィック、ロバータフラックなどの名曲が現代によみがえる・・・。

音楽のネタが切れたわけではないと思いますが、世の中意外と温故知新という感じではないでしょうか。オーディオの世界でも秋葉原に行けばまだまだ自作パーツには事欠かないし、ホームセンター出かけスピーカー用の木材を買ったりする若い人も多いと聞きます。

ことオーディオに関しては自作が全ていいとは限りません。今となってはメーカーもかなりマニアックになっていますから設計者のこだわりも凄く、下手な自作をするよりはメーカー製を購入したほうがよっぽど無難とはいえます。

しかし、こういうご時世にオーディオを楽しもう、しかも作る楽しみも味わいたいというなら、結果はともかく、長岡式自作スピーカーや真空管のアンプなどに興じるのが最高の趣味ではないかと思います。

真空管というと、これがエジソンが発明した電球と兄弟であります。電球を研究している時に、偶然に検波・増幅作用が発見されたもの。以来、トランジスタが発明され実用化される1970年までは真空管はラジオ・テレビや無線機・アンプなどの花形でした。

それから30年、真空管はトランジスタに劣るものとされ、時間軸に置き去りにされました。ところが昨今、真空管特有の性能が見直され、支持を得ています。特にオーディオアンプにおける音質的には真空管のほうが優れていると断言できます。

だいぶ前ですが、旧ソ連の最新鋭機ミグがそのパイロットと共に日本に亡命したことがあります。そのミグの計器には一部真空管が使われていたという噂がありました。

当時はこれはジョークとして捉えられましたが、核戦争になった時、半導体を使った計器より真空管を使った計器のほうが安定するという事実があるそうです。余談ですがたとえば皆さんが使っている電池式デジタル時計。これは核戦争が起きると止まってしまって役に立ちません。いざという時のためゼンマイ式の時計を一つ用意しておきましょう!?

ところで最近探してみたら、真空管のアンプのキットが意外とあるので嬉しくなりました。いきなり20万円のキットは勇気がいりますから、とりあえず3万円くらいのキットからのんびり始めてみるのはいかがでしょう。ハンダごてやテスターもちょっといいのを揃えて。

2002-03-06