バッテリーはクルマを動かす上で重要なパーツです。エンジンを始動するときにはセルモーターを回し、そのセルモーターでエンジンを回転させ、混合気に点火してその勢いで始動させます。したがって、バッテリーが上がってしまうとセルモーターが回らず、また正常にスパークが飛ばないので点火せず、エンジンはかかりません。
バッテリーが上がるというのは、蓄電量が減ってしまうことを言います。バッテリーは始動時には大量の電気が放電されますが、ひとたびエンジンがかかってしまえば負担は少なくなり、逆にオルタネーターという発電機がバッテリーを充電しますから、原理的には永久的にもつわけです。しかし、最近の車は、ヘッドランプは明るいし、エアコンは冬でも除湿に使うし、カーオーディオはハイパワーだしというわけでバッテリーが休む暇がありません。以前はバッテリー上がりは冬の寒い朝、と相場が決まっておりましたが、最近ではエアコン連続で使い始める梅雨明けあたりに起こりやすいとされています。
バッテリの寿命はうまく使えば5年くらい持ちますが、横着な人の場合は2年で取り替えるほうが無難です。普通車の場合は12Vですが、ものによっては24Vのものもあります(トラックなど)。ディーゼル車などバッテリーは車種によって大容量を欲するものがありますので、取り替えるときはクルマでショップに行き、今のと同じかより大きい容量のものに交換するといいでしょう。
交換したついでに古いバッテリーを引き取ってもらいます。バッテリーは産業廃棄物なので家庭用ゴミとしては出せません。ゴミ置き場に出しても持っていってくれませんから注意してください。クルマが動かずやむをえない時はバッテリーの上に書いてある記号をメモしていきます。同じ大きさでもプラスマイナスの位置が逆になっている場合があるからです。
バッテリーの表示は以下のようになっています。
46B24L(古い表示方法:NS60L)
「46」というのは電流の容量大きいほどパワーがありますが値段も高くなります。次の数字の「24」はバッテリーの大きさです。最後の「L」は電極の位置。当然「R」もあります。予算が許せば「46B24L」より「60B24L」のほうが高性能です。尚、外車の場合は取り付け方法が国産車と違うので、純正のバッテリーをオススメします。
一旦あがってしまったバッテリーは専用の充電器で充電することが出来ますが、元通りのパワーは戻りません。最近ではメンテナンスフリーといってバッテリー液が減らないものもありますが、通常は減ってきますのでたまにはエンジンフードを開けてバッテリー液もチェックしましょう。上部のふたを開けると液面が確認できますから、減っている場合は補充液を追加します。
ちなみに最初から入っているバッテリー液は希硫酸ですから衣服や目に触れないように気をつけましょう。後から補充する液は蒸留水を使います。水道水は使わないようにしましょう。電極が干上がってしまうほど液が減っている場合は再起不能ですから補充液を入れずに直ちに交換しましょう。補充液を入れると全くかからなくなることがあるため。