カーエアコンに使われている冷媒のフロンにについて「フロン回収・破壊法」が平成14年10月1日より施行されました。これはオゾン層破壊や地球温暖化の原因とされるフロンガスの大気中への放出を抑制し、クルマのオーナーにフロン類の回収・破壊を義務付けたものです。
10月1日以降オーナーはカーエアコンのついているクルマを廃車するときに、「自動車フロン券」を購入し、引取り業者にクルマと一緒にわたさなければならないことになります。対象はカーエアコンがついているクルマですので、カーエアコンがついていないクルマは対象外です。
具体的にはオーナーは全国の郵便局またはコンビニエンスストア(セブンーイレブン、ファミリーマート、ローソン、サークルK、サンクス)で「自動車フロン券」を購入して廃車する際このフロン券を添えて引き渡します。
金額は廃棄するクルマの種類、大きさによって異なります。フロン券1枚の価格は2,580円で、種類によって購入する枚数が変わってきます。まぁ昔の汲み取り券のようなものです(懐かしい?)
・自動車(バスを除く)………1枚(2,580円)
・小型バス(長さ7m未満)…2枚(5,160円)
・大型バス(長さ7m以上)…4枚(10,320円)
対象となる自動車は1994年までに生産されたクルマに使用されていた「特定フロンCFC12」及び1995年以降生産されているクルマに使用されている「代替フロンHFC134a」が対象となります。つまりカーエアコンを装着しているほとんどのクルマはすべて該当することになります。
フロンガスはオゾン層を破壊し紫外線による被害を増加させます。またフロンガスは地球温暖化の原因となる二酸化炭素の数千倍もの強力な温暖化物質なのです。現時点ではフロンの代わりになる冷媒をすべてのカーエアコンに使うに至っておらず、暫定的にフロン券という方策が法令化されたというわけです。
このように廃棄物の処理に流れができ、確実に回収・リサイクルできるようになればそれに越したことはありません。新しい冷媒や新しい方法も歓迎しますが今までこれだけフロンが普及したのはそれだけ安価で使いやすいからでしょう。
今後は二酸化炭素やアンモニア等を冷媒としたものや、電気的に温度差を生むペルチェ式など新しいカーエアコンが登場してくると思いますが、その場合は新たに廃棄する基準を設けなければならなくなることも考えられます。基本はちゃんと使い決められた方法で捨てる、ということが大事ですし、それがマナーということになりましょう。