[279]ジューン・ブライド

ジューンブライドとは「6月の花嫁」という意味。ヨーロッパでは6月に結婚した花嫁は幸せになれるといういわれからきています。

6月を意味するJUNEはローマ神話の女神ジュノーからきています。ジュノーはギリシャ神話でいえば最高神ゼウスのお妃ヘラーと同格。ジュノーは女神の最高神であり結婚をつかさどる神様のため、それにあやかって6月に結婚すると幸せになれるというものです。

また、ヨーロッパでは3月から5月までは結婚禁止だったため、それが解禁となる6月に結婚が集中したため、これを祝うかのような伝説が生まれたとされる説もあります。なぜ3月から5月までが結婚禁止だったのかは定かではありませんが、ヨーロッパには結婚禁止令や恋愛禁止令など理不尽ともいえる制度が過去多くあったことは確かです。政治的、戦略的な恣意があったのでしょう。

加えて6月はキリスト教の復活祭の時期であることから、ヨーロッパ全体が祝福ムードで溢れ、6月は晴れる日が多く、結婚式を挙げるには好適期ということも原因のひとつでしょう。

一方日本ではというと、ちょうど6月は梅雨の季節。雨で湿気が多いこの季節に、結婚式をあげることはあまり賢くありません。おかげでこの時期、結婚業者は商売上がったりです。

そこで結婚業者が苦肉の策で考えたのがヨーロッパの伝統であるジューンブライドを日本に植えつけること。ヨーロッパでは「6月の花嫁が幸せになるといわれている」というしきたりを日本に持ち込み、この時期の結婚式を推奨するようになりました。

しかし、実際にどうかというとやはり6月の結婚式は少ないようです。何しろ日本の梅雨のじめじめ加減は半端ではないですから。これは数字にも表れているようで、2005年の挙式の数は3月、11月、10月の順に多く、6月は8位とのこと。それでも最下位でないところをみると多少「ジューンブライド」の効果はあるのかも。しかしやはり日本ではジューンブライドは少数派ということがいえそうです。

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