[050]引き出物
引き出物という言葉の由来は、その家の主人が愛馬を引き出して、来客に贈った故事から来ています。愛馬を差し出すくらい感謝の意味がある、ということです。感謝の気持ちを伝える、日本人の心が息づいている風習です。
さて、結婚披露宴には引き出物を出す習慣があります。これはお祝いを受けたことに対する返礼を意味します。本来は一人一つですが、夫婦で来られた場合などは夫婦で一つということも多くなってきているようです。
引き出物は両家の親や本人の思惑が入りますから、なかなか決定できないことがあるかもしれません。しかし両家の意見を取り入れ、さらに二人のイメージも取り入れて決定しなければなりません。
昔は、二人の名前が入った時計や置物などがありましたが、これなどはもらって困るワースト3に入ってしまうものです。品物は地域性や顔ぶれ習慣なども考慮しますが、最近では、すぐに使っていただけるものが人気があるようです。
また、引き出物は遠方から来られる人もいるのではかさばらず軽いものが好まれます。自分ではちょっと買わないけど、あると便利なもの、実用的なもの、いくつあっても困らないものが良いですね。
お客によって品物を変えることもあるようです。これは式場の方が大変だと思いますが、出来る限り包装の大きさが同じ程度にしないと、差を付けられたと勘違いされますので注意が必要です。
ラッピングにこだわるもの面白いですね。ワインとワイングラスを籐のバスケットに入れ、生花をあしらった二人だけのオリジナルを贈るのも心がこもって良いものです。
美味しいお菓子を引き出物としても良いのですが、引き菓子は別に用意することもあるのでその場合はダブらないように注意します。引き菓子は大体美味しくないので、とびきり美味しいお菓子を用意するのもしゃれています。ちなみに、引き出物は親から、引き菓子は当人からという解釈があるようです。
最近ではカタログを送りその中から選んでもらう方式もあるようですが、ここは二人のセンスの見せ所。おしゃれで気のきいた引き出物を用意したいものです。