[320]エンゲージリングとマリッジリング

エンゲージリングはエンゲージ(Engage=婚約)のリング(Ring=指輪)。つまり字のまま「婚約指輪」です。元々はヨーロッパは古代ローマ時代からの習慣といわれ、婚約した二人はその誓いとして男性からはゴールドの指輪、女性からはカメオの指輪を贈ったことから発しています。二人が互いの指輪を持つことで自他共に婚約者がいることをアピールしたわけです。

ではなぜアピールする必要があったのか?

それは、ローマ時代は戦国時代でもあり、強い男は兵士として諸国を巡らなければならない運命にあり、その留守中に意中の女性を守る必要があったからです。男性にとっては他者に自分の婚約者を奪われないため、そして女性からすれば貞操を守リやすくするための目印、それが婚約指輪だったのです。

したがって婚約指輪はその目的ゆえ目立つ必要があります。また強い男の印として豪華さを競います。その流れでゴールドやダイヤモンドのような派手なものが使われるようになったのでしょう。古代よりダイヤモンドの輝きは永遠、不屈の愛を象徴するものとして尊ばれていました。

一方でマリッジリングはマリッジ(Marriage=結婚)のリング(指輪)。つまり結婚指輪です。結婚指輪は婚約指輪と違って地味です。これは結婚後にする指輪ですから、家事や労働に邪魔にならないよう、しかし他の男に結婚している身であることを印す必要があるため地味でありながらきらりと光るプラチナリングなどの指輪が定着したのでしょう。

ちなみに、結婚を申し込むことをプロポーズといいますが、proposeは単なる申し込み。結婚を申し込む場合は propose marriage が正しいです。結婚を意味する言葉は他にも、bride=花嫁、bridegroom=花婿、honeymoon=新婚旅行、wedding=結婚式などがあります。

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