[141]たばこ条例

東京都千代田区で新しく「たばこ条例」が10月1日より施行されました。区内の指定された路上で喫煙した場合に罰金を課するものです。

たばこのポイ捨てに関する条例は全国に多くありますが、路上喫煙者に過料を払わせるのは全国初の条例となります。科料は当初最高額の2万円を徴収する方針でしたが、当分の間「実効性」を優先させ、払いやすい金額として2000円を徴収することにしたとのこと。

ポイ捨て禁止の場所は、秋葉原、神田、御茶ノ水、水道橋、飯田橋、市ケ谷、有楽町、靖国通りの計8ヶ所。実施要領によれば区職員がパトロールし10月中は注意、指導だけ。11月以降は注意しても喫煙をやめないなど悪質なケースに、その場で納入通知書に住所、氏名などを記入させ、銀行や郵便局から過料を振り込ませるシステム。その場での支払いに応じる場合は徴収するとのことです。

このメルマガはマナーを啓蒙するマガジンですから「ごもっともごもっとも」と言いたいところですが、そうはいきません。この条例は子供じみていて、なんだか高校の校則を守らせる生活指導の先生が不良生徒を探して繁華街をうろつく。そういうレベルに感じます。

この条例は今のところ暫定的に行なうようですが、まず、このような条例が必要であること自体情けない話です。そして、科料についても定額は2万円で、当初は払いやすい2千円にするというのも不可解。値引きですか?

そしてそのパトロールは警官ではなく、区の職員ということも理解に苦しみます。パトロールのために予算を取るということでしょうか?制定の背景には、歩きたばこの火で服を焦がされたり、子どもの顔に当たって両まぶたをやけどさせる事故が出たためだといいますが、たばこの火で両まぶたに火傷?本当でしょうか?

火のついたたばこは確かに危険物ですが、そんなことは注意して喫煙するのが当たり前です。確執としか言いようのない自治体の姿勢もさることながら個人の喫煙マナーってそんなに悪いのだろうかと思ってしまいます。また、路上であってもマナーを守ってささやかに喫煙している人を、どうして取り締れるのか?喫煙自体は悪いことではないのです。

罰則というのはいわば聞き分けのない子供に対する体罰のようなもので、それ以外にも躾の方法はあるものです。また喫煙する権利というものもあるのですから、その権利をどこまで制約できるのか?という人権問題も残されています。

なんかもっと大人らしい解決の方法はないものでしょうか?それに、たばこなんか取り締まっている場合じゃないと思います。自治体の財政難はそれどこじゃないほど深刻なのに。

ちなみに校則の話を続けるなら、今現在高校はその存続をかけて校則の取締りどころじゃないそうです。少子化の影響で生徒が来ない。ま、お役所はそれだけ平和ボケしているということですな。

(喫煙歴13年、禁煙歴18年のたまごやです)