[060]チチキトクスグカエレ
昔は新聞広告に本当にこんな文字があったものです。いまではほとんど見ないですね。
病人が危険な状態になると、医師は身内の方に連絡を取るように告げます。また親しい人など会わせたい人にも今のうちに、などともいいます。こういう時は急を要しますから、家族は悲しんでなぞいられません。すぐさま身内で相談し、会わせたい人に連絡をとります。
危篤を知らせる必要のある相手は
1)家族や親族
2)勤務先や学校
3)特に親しい友人や知人
などです。病人が自宅にいる場合はともかく、病院に大勢押しかけてもひんしゅくですから、誰に来てもらうかの人選はよく吟味します。疎遠な人にいきなり連絡しても向こうも迷惑でしょうし、病人が心底あいたがっている人に絞るのがマナーでしょう。実の親子や兄弟姉妹の場合は最後の別れですから早めに連絡します。
危篤の知らせは一刻を争いますので電話で知らせます。深夜であってもやむをえないでしょう。電話が無い場合や通じにくい時は電報を打ちます。
表題のような「チチキトクスグカエレ」は相手がびっくりしてしまうので避け、「父危篤連絡を待つ-(連絡先電話番号)」のように先方から連絡を促すような文面で打ちます。連絡場所は深夜でも迷惑にならないようなところを指定し、間違っても病院の電話番号を連絡先にしないようにしましょう。
さて、危篤の連絡を受けたほうですが、近距離の場合は地味な平服で駆けつけます。喪服に着替えていくとかえって失礼になるので気をつけましょう。遠方から出向く時は喪服を持参しなければなりませんが、その場合も持参していることを目立たせないように気を配ります。
病人と会う時は、最後の別れとなるのですから心から別れを惜しんでください。しかし、病人の家族のことも気遣いあまり長居をしないようにします。