第50回 入居
こんにちわ、永礼盟です。ご購読ありがとうございます。
入居希望が殺到している中、落ち着かないと言う現状から入居をストップせざるを得ない状況が続いていました。しかし、ここに来て落ち着きだした我がホーム。少しずつ入居の受け入れを整えています。
疥癬や、SRSV等の感染症、繰り返す入退院。職員の入れ替わり、施設長の交代、何かを始めようとすると、事態が悪化する。まるで、何者かが邪魔をしているような、そんな状況が続いていたのです。
しかし、職員の人数も増えつつあり、熱いリーダーの思考の元、入居される方がありました。我がホームに新しい仲間が増えたのです。
比較的自立度の高い方と言う前情報でした。リーダーが、忙しい中、アセスメントに度々足を運びました。有料老人ホームのイメージと、我がホームの現状との溝を埋めるために。
そのお客様が、何を求めていらっしゃるか?そして、その要求に応えられる事と、そうでない事をしっかりとアセスメントしてくれたようです。現状の職員数で出来るサービスをご案内し、痴呆、徘徊の方もいらっしゃる事をはじめ、色々な方が入居されている事を伝えたようです。
当たり前のようで、それがされていなかった事とは、ホームの現状をある程度知らせておくという事です。今までは、営業担当から会社の規定通りの案内をされて入居に至っていたと思われるのですが、入居されてから痴呆徘徊についてのクレームや、サービスへの不満が入る事が多かったのです。
この現状を打ち砕くべく、自ら率先してアセスメントに出向くリーダーの姿があったのです。今までと違う点は、彼は現場出身であるという事。過去、多くの施設長がアセスメントを行って来たと思いますが、会社側の考えの上に成り立っていたのでした。
リーダーから情報をもらい、入居に至ります。不思議と緊張感が生まれ、自然に目線を合わせようと腰を低くする職員を見たとき、いつの間にかなれ合いになっていたんだと強く感じ、こうして新たに緊張感を持つ事って良い事なんだと、自分の事なのに、人ごとのように感じていました。
入居されて1週間程過ぎた頃、だんだんと我々職員と打ち解けて下さいました。特に、同性介助を希望されているにもかかわらず、私がケアする事を許してくれた時に、信用してくれたのかな?と、ヘルパー職の喜びを感じずに入られませんでした。その信用を裏切らないよう、頑張って行けたらと思います。
お話が好きな方で、お食事等の話で居室から帰ってくるのが遅くなる事もしばしばあります。でも今は、殺伐と業務をこなさなくても、他に職員がいるという安心感があるのです。入居者に対し、足を止めて話を伺う事の出来る環境。その環境が整いつつある我がホームに、大きな期待をする自分がいるのでした。
2004.03.07
永礼盟